BricQモーション プライム
体操選手
体操選手の鉄棒技よりかっこいいものがあるでしょうか?車にのった鉄棒です!体操選手の動力で動く車を作りましょう。
30~45分
初級
小学校高学年・中高校
ハイブリッド
準備
- 付属の生徒用資料をよく読んでおきます。授業ではプロジェクターを使って生徒用資料を表示するとよいでしょう。
- モデルの組み立てが不得意な生徒がいる場合は、授業の前に体操選手のモデルを組み立てておいても構いません。
- 関連性のある概念 (ニュートンの3つの運動の法則) を前のレッスンですべて学習しておいてください。
- それぞれの生徒の能力や学習進度を考慮してください。全員がレッスンを楽しめるよう、必要に応じて個別化します。下の個別化セクションを参考にしてください。
関心を引きつける
(クラス全員、5分)
- ここで生徒用ビデオを見るか、オンラインの生徒用資料から再生してください。
- 体操選手が鉄棒にぶら下がって前後に揺れる際に働く力について簡単にディスカッションをしてください。
- 次のような質問をしてください:
- 体操選手を動かすにはどのような力が必要ですか?(体操選手は筋肉の押す力や引く力を使い、身体を下方向に引っ張る重力よりも大きい、前方向の運動量を生みだします。)
- 体操選手の動きを継続させているものは何ですか?(ニュートンの運動の第1法則では、外部から力を加えられない限り、動いている物体は動き続けるとされています。筋肉で押すのを止めると、空気抵抗や体操選手の手と鉄棒との間の摩擦によって速度が落ち、最終的には下方向に引っ張る重力のため鉄棒の真下で体が止まります。)
- これから体操選手が動力となった車を作ることを説明します。
- すべてのグループにセットを配布します。
探究する
(少人数グループ、30分)
- ペアで体操選手のモデルを組み立ててもらいます。ブロックを探す役と組み立てる役を、ステップごとに交代しながらモデルを完成させるよう指示してください。
- このモデルの組み立てには15~20分が必要です。完成したグループから、広い場所を見つけてモデルをテスト走行してもらいましょう。
- 組み立てに役立つ情報は下のヒントを参照してください。
- 次に、生徒用ワークシートの3つの実験に挑戦してもらいましょう。
実験 1:
- マスキングテープを使ってラインを引いたら、ラチェットレバーを折りたたんだ状態で体操選手を揺らし、何が起こるかを観察します。
実験 2:
- 次に、ラチェットレバーを使って車が前進できるようにする方法を考えてもらいましょう。
- 車の前にあるラチェットレバーを下ろすよう指示します。
- モデルをスタートラインに置き、振り子を後ろに90°の角度で持ち上げてから手を放します。
- レゴ® ブロックを使って車が移動した距離に印をつけ、巻尺で距離を測ってワークシートに記録するよう指示します (教師用サポート- 補足資料)。
- 次に、振り子を限界まで引いて (約160°) から手を放すと車がどれだけ移動するかを予測してもらいましょう。車が動くと思った位置に別のブロックを置いて印をつけるよう指示します。
- 実際に振り子を動かして、正しく予測することができたかを確かめ、実際の移動距離をワークシートに記録させます (教師用サポート- 補足資料)。
実験 3:
- 両方のラチェットレバーを折りたたみます。これから、車が手に触れた状態で体操選手を動かすと何が起こるかを観察することを説明します。
説明する
(クラス全員、5分)
- 生徒を集めて、グループで観察した事柄について発表してもらいます。
- 次のような質問をしてください:
- 両方のラチェットレバーを折りたたんだ状態で車が前後に動いたのはなぜでしょうか?(合力が0となるため車が前後に揺れました。)
- 何の力が働いていますか?(重力が体操選手を下に向けて引っ張っています。揺れる体操選手の運動量は上部に固定されたピボットに伝わり、車輪/車軸の摩擦力が低いことで、体操選手が揺れるたびに車が前後に動くようになっています。前向きの運動が後ろ向きの運動とほぼ同じであるため、車がその地点から移動することはありません。)
- 車の運動にはどのようなパターンが見られましたか?(体操選手の揺れの回数が進むごとに車の運動が小さくなります。)
- 揺れの回数が進むごとに車の移動距離が小さくなるのはなぜですか?(車輪と車軸の摩擦力、空気抵抗によって振り子の運動量が徐々に小さくなるため、振り子は最終的には最も低い位置で停止します。)
-振り子の揺れ幅を大きくすると車の移動距離にはどのような影響がありましたか?(振り子の振れ幅が大きいほど大きな運動量が生まれ、車の移動距離も大きくなります。) - ラチェットレバーを外し、車が手に触れた状態で体操選手から手を放すとどうなりましたか?(体操選手の運動とは反対方向の同等の力が働き、掌が押されているのを感じます。)
- 生徒が質問に答えることができない場合は、以下のように声をかけてみましょう:
- 押しましたか?
- どのように動きましたか?
さらに実践する
(クラス全員、5分)
- 時間に余裕があれば、車を後ろ向きに移動させる方法を考えてもらいましょう。
- 生徒がモデルを解体してブロックをトレーに仕分けし、作業スペースを片付ける時間を設けてください。
評価する
(レッスン全体を通して)
- それぞれの生徒に取り組みを評価して伝えます。
- 自己評価を行います。
- 評価の際は、下のルーブリックを参考にすると良いでしょう。
この学習におけるルーブリックの例
- それぞれの生徒が、物体の質量とそこに働く力が、物体の動きを変化させる仕組みをどの程度上手く説明できるかを評価します。
- 次のルーブリックを参考に、評価規準や判定基準を作成しましょう。
- 追加の支援を必要とする
- 支援を受けずに作業できる
- 他の生徒を手伝うことができる
自己評価
- それぞれの生徒に、自分の成果に最もよくあてはまるブロックを選ばせます。
- 緑:助けを借りて、力と質量によって物体の運動がどのように変化するかを説明することができる。
- 青: 力と質量によって物体の運動がどのように変化するかを説明することができる。
- 紫:力と質量によって物体の運動が変化する仕組みを詳しく説明することができる。
仲間のフィードバック
- 以下の指示に従って生徒同士で評価し合うよう促してください:
- 上のブロックの評価基準を使ってお互いの成果を評価する
- お互いのアイデアを取り上げて建設的なフィードバックを提供する
ヒント
組み立てのヒント
- 体操選手の腕部分は特に間違えやすい場所です (前後を逆に組み立てるなど)。この間違いをした生徒がいた場合は、完成したモデルを見せて構造の違いを指摘しましょう。
- ビームとプレートの穴を数えるとブロックを正しく配置するのに役立つことを生徒にもう一度説明します。
個別化
学習に困る生徒が多い場合は、次のように学習方法を工夫してみましょう:
- 実験1と3のみを行い、ラチェットを使った実験は省く
この学習で物足りない場合は、次のように学習方法を工夫してみましょう:
- 生徒が車を後ろ向きに移動させる方法を考えることができたら、実験2を繰り返す (車の前にあるラチェットレバーを折りたたみ、後ろにあるラチェットレバーを歯車の上に下ろす)
- 振り子に使うブロックの重量はそのままで、モデルの移動距離が大きくなるようモデルのデザインを改良できるか挑戦させる
発展課題
(注:時間が別途必要です。)
数学スキルの向上を図るには、ラチェットレバーを片方だけ固定し、体操選手を後ろに引く角度を5種類試します。それぞれの角度で移動した距離を記録します。課題をさらに発展させるには、振り子を落とした高さをx軸に、車の移動距離をy軸として実験結果をグラフに記録させてください。どのようなグラフが完成したか、またそれはなぜかを生徒に説明してもらいます。
小学校学習指導要領算数 第2-第6学年-2-C
中学校学習指導要領数学 第2-第1学年-2-C
1:1 ハイブリッド学習
ハイブリッド学習教材のページから、個人学習キットのレッスンプランをダウンロードしてください。
教師用サポート
学習内容:
- 車輪の上にのせた「体操選手」(振り子) モデルの運動を調べ、ニュートンの3つの運動の法則がどのように実証されているかを説明する