BricQモーション プライム
プロペラカー
ヨットや陸上ヨットを風に向かって進ませるのは簡単ではありませんが、高度なエンジニアリングを使えば不可能ではありません。機械の力によって物体の運動が変化する現象と、これらの力が離れた位置から働きかける仕組みを調査します。
30~45分
上級
小学校高学年・中高校
準備
- 付属の生徒用資料をよく読んでおきます。授業ではプロジェクターを使って生徒用資料を表示するとよいでしょう。
- ニュートンの3つの運動の法則を前のレッスンですべて学習しておいてください。
- それぞれの生徒の能力や学習進度を考慮してください。全員がレッスンを楽しめるよう、必要に応じて個別化します。下の個別化セクションを参考にしてください。
- 床の上に扇風機を置き、プロペラカーが動けるよう、前方に3m以上スペースをあけておきます。テープを使って扇風機の前に (扇風機と垂直に) スタートラインを引きます。
関心を引きつける
(クラス全員、5分)
- ここで生徒用ビデオを見るか、付属の生徒用資料から再生してください。
- プロペラカーを動かす力について簡単にディスカッションをしてください。
- 次のような質問をしてください:
- プロペラを動かしているのは何ですか?(風です。それは気圧の違いによって生まれます。)
- プロペラを動かしているのは何の力ですか?(プロペラの羽根の形状によって風の力ベクトルが変化し、回転運動が生まれています。)
- これからプロペラカーを組み立て、風の力がプロペラカーの運動を変化させる仕組みを調べることを説明します。
探究する
(少人数グループ、30分)
- ペアでプロペラカーのモデルを組み立ててもらいます。ブロックを探す役と組み立てる役を、ステップごとに交代しながらモデルを完成させるよう指示してください。
組み立てに役立つ情報は下のヒントを参照してください。
- 生徒用資料の3つの実験を見るよう指示し、生徒用ワークシートを配布します (教師用サポート - 補足資料)。
実験 1:向かい風
- プロペラカーを扇風機に正面が向くようにしてスタートラインに並べるよう指示します。
- 扇風機の電源を入れ、プロペラカーの動きを観察するよう促します。
- 観察して気づいた点を生徒用ワークシートに記録させます。
実験 2:追い風
- プロペラが後方を向くよう位置を切り替えるか、灰色の歯車が上にくるよう歯車列を上下逆にするよう指示します。
- 扇風機の電源を入れ、プロペラカーを前向きにした場合と後ろ向きにした場合に起こることを観察させます。
- 観察して気づいた点を生徒用ワークシートに記録させます。
実験 3:プロペラの羽根を増やす
- プロペラに羽根をもう1枚追加して同じ実験をしてもらいます。時間に余裕があれば、以下のバリエーションにも挑戦させてください:
- プロペラの歯車モジュールが上を向いた状態
- プロペラの歯車モジュールが下を向いた状態
- プロペラの歯車モジュールが後ろを向いた状態
- 羽根が4枚のプロペラ
- 羽根が6枚のプロペラ (組み立て説明書の3ページにヒントがあります)
説明する
(クラス全員、5分)
- 生徒を集めて実験結果を発表させ、ディスカッションを行います。
- 次のような質問をしてください:
- プロペラカーの進行方向を風上 (向かい風) から風下 (追い風) に変えるには何を変更すればよいですか?(歯車の配列、またはプロペラの向き。)
- プロペラカーが風上の方向 (扇風機に向かって) に進むのはなぜですか? (プロペラカーに働く複数の力ベクトルによって風上方向に押されるから。)
- 風力駆動車は風速よりも速い速度で進むことができますか?(できます!授業のはじめに見たビデオに登場した車の何台かは、風速よりもはるかに速い速度で進んでいました。)
さらに実践する
(クラス全員、5分)
- 時間に余裕があれば、実験で働いている力 (力ベクトル) について詳しく解説してください。
- 生徒がモデルを解体してブロックをトレーに仕分けし、作業スペースを片付ける時間を設けてください。
評価 する
(レッスン全体を通して)
- それぞれの生徒に取り組みを評価して伝えます。
- 自己評価を行います。
- 評価の際は、下で提示しているルーブリックを参考にしてください
この学習におけるルーブリックの例
- それぞれの生徒が、物体の運動が様々な力やメカニズムによって変化する仕組みをどの程度上手く説明できるかを評価します。
- 状況に合った評価基準を作成しましょう。例:
- 追加の支援を必要とする
- 支援を受けずに作業できる
- 他の生徒に教えることができる
自己評価
- それぞれの生徒に、自分の成果に最もよくあてはまるブロックを選ばせます。
- 緑:助けを借りて、目に見えない力と歯車列を組み合わせることで物体の運動がどのように変化するかを説明することができる。
- 青:目に見えない力と歯車列を組み合わせることで物体の運動がどのように変化するかを説明することができる。
- 紫:目に見えない力と歯車列を組み合わせることで物体の運動がどのように変化するかを詳しく説明することができる。
仲間のフィードバック
- 以下の指示に従って生徒同士で評価し合うよう促してください:
- 上のブロックの評価基準を使ってお互いの成果を評価する
- お互いのアイデアを取り上げて建設的なフィードバックを提供する
ヒント
組み立てのヒント
- モデルが完成したグループからテストするよう促してください。全員がモデルを試すことができるよう、調整を行う際には必ず交代で順番に作業させるようにしてください。
- すべての実験で扇風機の風量を同じレベルにします。どの風量でも構いません。
- 扇風機が大きすぎるか風が強すぎる場合は、スタートラインからさらに離してみてください。スタートラインと扇風機の間に家具などを置くと風を弱めることができます。
- 扇風機が小さすぎる場合はスタートラインに近づけるか、扇風機を手で持ってモデルの動きに合わせてみてください。
個別化
学習に困る生徒が多い場合は、次のように学習方法を工夫してみましょう:
- 基本モデルのみを使い、風上に向けて進ませる実験のみを行う
この学習で物足りない場合は、次のように学習方法を工夫してみましょう:
- より効率的に風上方向に進ませる方法を見つけることができるか挑戦させる
- 扇風機を使う代わりにはずみ車を使って車を動かす方法を考えさせる
発展課題
(注:時間が別途必要です。)
数学スキルの向上を図るには、生徒に「比率」の概念について調べさせ、プロペラの羽根が回転する速度と車輪が回転する速度との間の歯車比関係を、比率に関する用語を使って説明してもらいましょう。
小学校学習指導要領算数 第2-第5学年-2-C-(3)
教師用サポート
学習内容:
- 力が物体の運動を変化させる仕組みを理解する
- 力が離れた位置から働きかける仕組みを理解する
- エネルギーと力の関係について調べる
- レゴ® エデュケーション BricQ モーションプライム セット (生徒2人あたり1セット)
- マスキングテープ
- 中サイズの卓上扇風機 (生徒10人当たり1台が理想的)
中学校学習指導要領
国語 原因と結果、意見と根拠、少人数で話し合う活動、分かりやすく伝える
数学 比例/反比例、π、一元一次方程式
理科 [第1分野] 運動とエネルギー、斜面に沿った運動、
[第2分野] 大気圧、天体の動きと地球の自転・公転
技術・家庭 [技術分野] 材料、加工、エネルギー変換及び情報の技術
総合的な学習の時間 探究的な見方・考え方、横断的・総合的な学習を行う