歓声を上げる観客
この最後のプロジェクトでは工学デザインのプロセスに親しみながら、釣り合っている力と釣り合っていない力に対する理解を応用します。
ゴールが近づいてきました。走者が最後のカーブを曲がるとフィニッシュラインが見えてきました。観客から歓声が上がります!
準備
- 付属の生徒用資料をよく読んでおきます。授業ではプロジェクターを使って生徒用資料を表示するとよいでしょう。
- このレッスンは45分間の授業2回以上で完了するようデザインされています。パート Aは1回目の授業で、パート Bは2回目の授業で実施してください。
- 関連性のある概念 (簡単なメカニズム、運動のパターン、釣り合っている力と釣り合っていない力) を前のレッスンですべて学習しておいてください。
- それぞれの生徒の能力や学習進度を考慮してください。全員がレッスンを楽しめるよう、必要に応じて個別化します。下の個別化セクションを参考にしてください。
パート A (45分)
関心を引きつける
(クラス全員、5分)
- ここで生徒用ビデオを見るか、付属の生徒用資料から再生してください。
- ビデオで観客が歓声を上げていたときに気づいた事柄について、簡単なディスカッションを促します。
- 次のような質問をしてください:
- 観客はどのように動いていましたか? (ジャンプ、手を振る、ハイタッチ)
- 前のレッスンで作ったメカニズムについて考えてください。力と運動についてこれまでに学んだことを応用して、こういった動きを再現するメカニズムを作ることができますか?
- これから、歓声を上げる観客を自動的に動かすメカニズムをデザインして組み立てることを説明してください。
探究する
(少人数グループ、30分)
- 歓声を上げる観客や勝利の喜びを表現したメカニズムを発明してもらいましょう。
- アイデアをスケッチして組み立てるよう指示します。
- これまでのレッスンで組み立てたモデルをお手本にしたり、全く新しいものを考えても構わないことを説明してください。
- できる限り多くの可動部を用いたモデルを作るよう促してください。
- 組み立てを始める前にアイデアについて話し合い、ステッチを描くよう指示します。
- 組み立てに役立つ情報は下のヒントを参照してください。
説明する
(クラス全員、5分)
- 生徒を集めて組み立てたモデルについて発表させ、ディスカッションを行います。
- 次のような質問をしてください:
- どのような動作で勝利を祝うモデルを作りましたか?
- どのモデルをお手本にしましたか?
- モデルの中でスケッチと同じ部分はどこですか?どこが違いますか?
- どこが改善できますか?
- ほかのクラスでも同じセットを使用する場合は、次回の授業でモデルを元通りに組み立てる際の参考に使えるよう、各グループのモデルの写真を撮ってからモデルを解体させ、片付ける時間を設けてください。ほかのクラスで同じセットを使用しない場合は次回の授業までモデルが壊れないように保管するとよいでしょう。
パート B (45分)
関心を引きつける
(クラス全員、5分)
- 前回の授業のパート Aで作成したスケッチまたはモデルを生徒に 配布します。
- その日の授業でモデルの最終調整や改良、仕上げとして行う予定の作業について各グループにたずねてください。
- 行き詰ってしまった場合はどうすればよいか生徒にたずねてください。回答の例:
- ほかのグループのクラスメートにアドバイスを求める
- 組み立て説明書を参考にする
探究する
(少人数グループ、30分)
- 生徒がモデルを完成させる時間を20分間とります。15分が経過したら、あと5分で機能するモデルを完成させるよう伝えます。
- パートナーと一緒にモデルを試す時間を2分間とります。
- 組み立てが早く終わった生徒には、ミニフィギュアのレースのためのスタートラインと1.5m離れた位置にあるフィニッシュラインを引いてもらいましょう。
- 生徒を集めてクラス全員で成功をお祝いしましょう!
説明する
(クラス全員、5分)
- 制作したモデルについて説明してもらいます。
- 次のような質問をしてください:
- モデルは上手く機能しましたか?
- どこを変えるとさらに良くなりますか?
さらに実践する
(クラス全員、5分)
- 次のような質問をしてください:
- このレッスンはどの部分が楽しかったですか?
- 難しかったところはどこですか?
- どのクラスメートのモデルが一番印象的でしたか?
- 生徒がモデルを解体してブロックをトレーに仕分けし、作業スペースを片付ける時間を設けてください。
評価する
(レッスン全体を通して)
- 授業中に生徒に「なぜ」や「どのように」といった質問を投げかけて、学習の中心となっている概念についての考察を促してください。
- 生徒がモデル制作の問題を解決するために行った決断の思考プロセスや論理付けについて、「声に出して考え」たり説明するような声かけをします。
この学習におけるルーブリックの例
- それぞれの生徒が、モデルの中で働く様々な力をどの程度上手く説明できるかを評価します。
- 状況に合った評価基準を作成しましょう。例:
- 追加の支援を必要とする
- 支援を受けずに作業できる
- 他の生徒に教えることができる
自己評価
- それぞれの生徒に、自分の成果に最もよくあてはまるブロックを選ばせます。
- 緑:モデルの中で働く様々な力を説明することができると思う。
- 青:モデルの中で働く様々な力を説明することができる。
- 紫:モデルの中で働く様々な力を詳しく説明することができ、クラスメートの理解を助けることもできる。
仲間のフィードバック
- チームごとに、一緒に作業をした体験について話し合ってもらいます。
- 下のような文章を使うよう促してください:
- 君が…したのはとても良かったと思う。
- 君がどうやって…したのかもう少し聞きたいな。
ヒント
組み立てのヒント
- 行き詰ってしまった生徒がいる場合は、下のようなオープンエンドの質問をしてサポートしましょう:
- どのようなアイデアを思いつきましたか?
- これまでに何を試しましたか?
- 次は何を試すといいでしょうか?
- これまでに作ったモデルの中で、ジャンプや手を振るといった動作ができるものがありますか?
- 授業時間内では完成させることのできない、大きなアイデアを思いついた生徒もいるかもしれません。その場合は、次の授業までにアイデアを簡素化する方法を考えるよう促してください。多くのデザイナーがプロジェクトから離れて計画の再考や修正を行う時間をとることを説明し、創造力を育みます。
- 下の写真は製作例です。しかし、自由な発想を制限してしまわないよう、この写真は生徒が自分のアイデアを出せずにいる場合にのみ見せるようにしてください。
個別化
学習に困る生徒が多い場合は、次のように学習方法を工夫してみましょう:
-まず組み立て説明書の2ページにあるカムのメカニズムに親しませる
この学習で物足りない場合は、次のように学習方法を工夫してみましょう:
- 組み立て説明書の2~3ページにあるメカニズムの中から各グループに2つを割り当て、組み合わせて1つのモデルを作れるか挑戦させる
発展課題
(注:時間が別途必要です。)
国語スキルの向上を図るには、生徒全員にこのレッスンで学んだことについてプレゼンテーションを制作し、クラスの前で発表してもらいましょう。
小学校学習指導要領国語 第2-第5~6学年-2-A
1:1 ハイブリッド学習
ハイブリッド学習向け資料のページから、個人学習キットのレッスンプランをダウンロードしてください。
教師用サポート
学習内容:
- 独自のメカニズムを製作するための、ブレインストーミング、スケッチ、デザイン、プロトタイプ製作、組み立て、テスト、繰り返し、組み立て直し、実験に取り組む
- 原因と結果、釣り合っている力と釣り合っていない力の知識を応用し、歓声を上げるミニフィギュアの観客を組み立てる
- レゴ® エデュケーション BricQモーション ベーシック セット (生徒2人あたり1セット)
小学校学習指導要領
国語 筋道立てて考える力、話の構成を考える
算数 2~6年生 表やグラフ、平面図形の面積
理科 3~6年生 重さと体積、予想や仮説、観察、実験、計測して制御
図画工作 創造的につくったり表したりする、つくりだす喜びを味わう
総合的な学習の時間 探求的な見方・考え方、横断的・総合的な学習を行う
中学校学習指導要領
国語 原因と結果、意見と根拠、少人数で話し合う活動、分かりやすく伝える
数学 1年生 数と式、比例/反比例、座標
理科 [第1分野] 力の働き、力の合成・分解、力のつり合い、運動の速さと向き、運動とエネルギー、摩擦
技術・家庭 [技術分野] 材料、加工、エネルギー変換及び情報の技術
総合的な学習の時間 探究的な見方・考え方、横断的・総合的な学習を行う