ひかりをとおすもの
レオは、ひかげをつくろうとおもっているよ。どんなものをつかったらいいのかな?レオといっしょに学ぼう。
準備
(注: このレッスンはパートAとパートBに分かれています。どちらのパートも学習指導要領に関連した学習に大切な内容が含まれています。時間が限られている場合、両パートを確認したうえで授業で扱う部分を適宜選んでください。)
このレッスンの学習のポイントは、素材によって光の通し方がどう変わるかを調べる実験の計画と実施を通して得られます。自分で光を出すモデルを組み立てることで、楽しく体験的に実験と考察を行うことができます。画像はアイデアのひとつです。自分たちの自由なアイデアでデザインを考えて、組み立てるよう促しましょう。
- 生活科の基礎知識 - 光:
- 光は、まっすぐに進みます。それを光線と呼びます。
- 光のほとんどが通り抜ける素材 (ビニールや色のついていないガラス) を透明といいます。
- 光の一部が通り抜ける素材 (ティッシュペーパーなど) を半透明といいます。
- 光が通り抜けられない素材 (木片など) を不透明といいます。
- 関心を引きつけるセクションで、教室内のアイテムでいくつか実演してもよいでしょう。
- 予備知識を身につけよう - 光: 理科の教科書・教材を使って、情報・図/画像・用語の定義などを予備知識として学びます。
- 人間が物を見るときには光が必要です。
- 物には光を出すもの (太陽・稲光・電球など) と出さないもの (イス・机・木など) があります。
- 物は様々な素材でできています。素材によって、光線を通したり通さなかったりします。
- 重要なキーワード: 光源 (こうげん)・光線 (こうせん)・素材 (そざい)
- モデルの組み立てとプログラミング: ユニットプランの学習前の推奨事項をご確認ください。その他の準備:
- SPIKE アプリの [ヘルプ]>[アイコンブロック] にあるイベントブロックとライトブロックのセクションを読み、詳しい使い方や役割を知る。
- 準備するもの:
- 教室にある物の中で、光の通しやすさで種類分けできる物を見つけておきます (金属・木・プラスチック・ガラス・綿布・薄い布など)。
- 性質によって種類分けできる様々な物を集め、教室で見せる方法 (箱に入れる、種類別に別の机に置く、教卓に置くなど) を決めておきます。素材には、透明のもの (キッチンラップやセロファン) 、半透明のもの (クッキングシートやティッシュペーパー)、不透明のもの (アルミホイルや厚紙) を含めます。
- 低学年の児童向けには、単語や絵でラベル付けした箱や模造紙を用意し、種類分け調査の結果を示しやすくするとよいでしょう。または、物の性質に応じて教室のエリアをラベル分けし、それぞれのエリアに対応する物を集めることにしても構いません。
- 光を出すものを見えるようにしたり遮ったりしやすいよう、教室を薄暗くする方法も計画しておいてください。
パートA (45分)
関心を引きつける
(クラス全員・10分)
ストーリーの主なキャラクターと最初の課題を紹介します: レオは、ひかげをつくろうとおもっているよ。どんなものをつかったらいいのかな?レオといっしょに学ぼう。
考える — このレッスンのトピックについて、教室に集めた物を見せて (必要に応じて、ストーリーの絵を見せながら) 教室内で話し合いのきっかけとなる問いかけをします。
- 教室に集めた物を指し示しながら、次のような質問をします。これは何でできているの? (プラスチック・ガラス・綿・金属・木)
- *これに光が当たったらどうなる?*光は向こう側に通り抜けるかな?(光は、ビニールや色のついていないガラスの場合は通り抜けてその向こうにあるものに当たります。布やティッシュペーパーは、光の一部しか通り抜けないので、向こうにあるものはぼんやりとしか見えません。金属や木は、光をまったく通さないので、反対側に影ができます。)
- *レオといっしょに何で日陰を作ったらいいか考えてみよう。どんなふうに実験できるかな?*隣の友だちと相談して、アイデアを出そう。(様々な素材に光を当てて、どれくらい影ができるかを調べられます。教室にあるものを調べる、透明/不透明の程度を予想してから光を当てて、その予想を確かめる、など様々な実験のアイデアを引き出してください。)
- 用意した物を見せながら、次のように問いかけます。材料が違うものをいくつか選ぼう。光は どのくらい向こう側に通り抜けるかな?「ぜんぶ通す」「すこしだけ通す」「まったく通さない」のラベルを使って答えよう。(用意した物を置く場所と、児童がそれを見たり手に取ったりする方法を確認しておいてください。)
レゴ® エデュケーション SPIKE™ ベーシック セットとプログラミング用デバイスを各グループに1セットずつ配ります。
探究する
(少人数グループ・25分)
組み立てやプログラミングに取り組む際に、参考として下のデザイン例を見せても (配布しても) よいでしょう。
ただし、画像はアイデアのひとつであることを明確に伝え、自由なアイデアで光を出すものを考えて組み立てるよう促してください。
ペアで取り組むタスク:
- 基本モデルを使って、レオがいろんな物を調べるのに役立つような、光を出すものを組み立てます。
- モデルにライトがつくようにプログラミングします。
- それぞれの物に光を当てて、どれくらい通り抜けるかを調べる方法を計画します。
- ライトマトリクスを使う方法について、たくさんのアイデアを出して話し合うよう促します。実験には黄色または白のライトを使うようにしましょう。準備を参考にの種類分けに選択肢を与えて、実験計画を手助けします。
教室を暗くすると、ライトマトリクスから出る光が見えやすくなります。自分たちで立てた実験計画にそって、選んだ素材を調べます。
ひとりずつ取り組むタスク:- 選んだ物を観察します。
- その物に光を当てたときに、光がどうなると予想したか (関心を引きつけるセクションでの予想) 確かめます。
- 光の通り道にその物を置きます。
- 光がどれくらい通り抜けたかを「ぜんぶ通す」「すこしだけ通す」「まったく通さない」で記録します。
作業時間の途中で、通常の授業で慣れた話し合いのスタイルで、調べ方のアイデア交換を促し、そこでひらめいたアイデアをもとに計画を改良します。
デザイン例
説明する
(クラス全員・10分)
クラス全員を集めて発表の時間を設けます。
グループごとに自分たちが作ったモデルと実験計画で、次のポイントを説明し、実演します。
- 実験した物と、その物の素材は何でしたか。
- 光が通る度合いが「ぜんぶ通す」「すこしだけ通す」「まったく通さない」のそれぞれに当てはまる素材はどれでしたか。
- 晴れた日に日陰を作るのにぴったりだと思う素材。(光を少しだけ通す、またはまったく通さないものが、日陰を作るのには適しています。中には、光をまったく通さない素材では暗くなりすぎる、という意見が出る場合があります。)
- 実験の計画はうまくいったか。それとも計画を変える必要があったか。
パートBの説明するに進む場合— 児童たちにモデルを分解しないでそのままにしておくよう指示します。モデルを分解した場合は、組み立て直す時間を与えてください。
パートB (45分)
説明する
(クラス全員・10分)
- パートAの説明するの内容を繰り返し、さらに多くのグループ に実演と説明を行ってもらいます。
さらに実践する
(クラス全員・30分)
(5分) 児童たちが実践を深められるような情報を与えます。日陰を作る素材が、光を少しだけ通すか、まったく通さないか、どちらがよいかを決める方法を考える。それを決めるのにモデルを使う方法を話し合う。
(20分) 物をのせる枠をつけた砂場モデルを作ります。太陽の光が当たる場所 (外または窓辺)にそのモデルを持っていき、いくつかの物をのせて実験し、「ぜんぶ通す」に分類した透明のもの・「すこしだけ通す」に分類した半透明のもの・「まったく通さない」に分類した不透明のもののうち、どれがもっとも日陰作りに適しているかを決めます。
(5分) 次のことがらについて、わかったこと・考えたこと・使った技術をお互いに発表しあいます。
- 課題をクリアするのに役立ったこと。
- 組み立て中に学んだこと。
作業した場所と使ったセットを片付ける時間を取ります。
評価する
(クラス全員・5分)
- アイデア出し、組み立て、プログラミングの間に児童たちが考えたことや決めたことを引き出すような問いかけをします。
この学習におけるルーブリックの例
学習の目的を確認します。(教員用サポートを参照)
次のポイントについて、児童の学習進度をチェックします。
- 様々な物に光が通り抜ける度合いを調べるために、光を出す装置を組み立てられていますか?
- 実験計画には、物を観察する・実験する・種類分けするのそれぞれの方法が含まれていますか?
- 実験の結果をもとに、光を通す度合いに応じて物を種類分けしたことを説明できていますか?
- 調べてわかった証拠をもとに、晴れた日に日陰を作る方法についての問いかけに答えられていますか?
自己評価
各自に、自分ができたことのレベルに合うブロックを選んで、成績をつけてもらいます。
- 青色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできると思う。
- 黄色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできる。
- 緑色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできて、クラスメートを手つだうこともできる。
仲間とのふり返り
少人数グループで、いっしょに作業した体験について話し合ってもらいます。
次のような表現を使うように促してください。
- XXさんが…したのはよかったと思う。
- XXさんが…したやり方をもっと教えて欲しいです。
個別対応
課題の難易度を下げる工夫:
- 調べる素材の数を減らし、必要に応じて種類分けの仕方への足掛かりとなるヒントを与えます。
課題の難易度を上げる工夫:
- さらに実践するモデルにハブとセンサーまたはモーターをつけて、明るさの条件を変え (たとえば、くもりや雨の日など)、モデルの機能を実験することも可能です。
発展課題
- 自分や家族が透明や半透明のものをどんなふうに使っているかを、1ページの紙に絵と文で説明するお話を作ります。みんなのページを集めて1冊の本にし、ページ数を数えて番号を振ります。
お話にレゴ®ミニフィギュアを登場させてもよいでしょう。
発展課題を行うと、45分間を超えるレッスンになります。
教師用サポート
児童のタスク:
- 素材によって光の通し方がどう変わるかを比べるための実験を計画して、実施する。
- 実験でわかった証拠をもとに、日陰作りに使う素材選びの質問に答える。
(2人一組)
- レゴ® エデュケーション SPIKE™ ベーシック 1セット
- レゴ エデュケーション SPIKE アプリをインストールしたデバイス 1つ
- 準備セクションの「準備するもの」参照
- 生活第2-2-(6) 身近な自然を利用したり,身近にある物を使ったりするなどして、その面白さや自然の不思議さに気付く
- 総則第3節-1-(3)-イ 児童がプログラミングを体験しながら,コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動
- 生活第3-2-(4) コンピュータなどの情報機器について適切に活用する。
- 国語第1学年及び第2学年2-A-(1) 話すこと・聞くこと
- 算数第1学年2-A-(2) 加法及び減法
国語・算数発展課題
- 国語第1学年及び第2学年2-B-(1)-イ 事柄の順序に沿って簡単な構成を考える
- 算数第1学年2-A-(1) 数の構成と表し方