花ふんをはこぶどうぶつ
マリアは、リンゴの花にミツバチがとまっているのを見つけたよ。ミツバチは何をしてるんだろう?マリアといっしょに学ぼう。
準備
(注: このレッスンはパートAとパートBに分かれています。どちらのパートも学習指導要領に関連した学習に大切な内容が含まれています。時間が限られている場合、両パートを確認したうえで扱う部分を適宜選んでください。)
このレッスンでは、児童に動物が花粉を花から花へと運ぶ受粉プロセスを示すモデルを作ってもらい、さらに実践するセクションで種子を別の場所へ運んで落とす伝播プロセスを示すモデルにします。画像はアイデアのひとつです。自分たちの自由なアイデアでデザインを考えて、組み立てるよう促しましょう。
- 予備知識を身につけよう - 花ふんをはこぶどうぶつ: 理科の教科書・教材を使って、情報・図/画像・用語の定義などを予備知識として学びます。可能であれば、植物の部位の名前を示す図を用意します。
- 植物は、繁殖するために種子ができますが、そのためにはほかの花から花粉をもらう必要があります。
- 動物がある花から別の花に花粉を運ぶ、受粉という仕事をして植物を助けています。
- 昆虫 (ミツバチなど)・コウモリ・鳥などの動物が花から蜜を集めるときに、花のおしべに触れて花粉が体につきます。おしべは、動物が触りやすいような形状になっています。
- 重要なキーワード: 花粉 (かふん)・受粉 (じゅふん)・伝播 (でんぱ) (オプション: おしべ・めしべ)
- モデルの組み立てとプログラミング: ユニットプランの学習前の推奨事項をご確認ください。その他の準備:
- SPIKE アプリの [開始] メニューにある [モーター] のチュートリアルアクティビティで復習する。
- SPIKE アプリの [ヘルプ]>[アイコンブロック] にあるイベントブロック、モーターブロックのセクションを読み、詳しい使い方や役割を知る。
- 準備するもの: 学年に応じて、受粉を解説する学習ビデオと植物の部位名を示す図の資料を見つけておきます。ビデオは、受粉や (必要に応じて) 種子の伝播などのワードで検索します。図は、植物の部位名などのワードで検索すると、教科書以外の図が見つかることがあります。
パートA (45分)
関心を引きつける
(クラス全員・10分)
ストーリーの主なキャラクターと最初の課題を紹介します: マリアは、リンゴの花にミツバチがとまっているのを見つけたよ。ミツバチは何をしてるんだろう?マリアといっしょに学ぼう。
考える — このレッスンのトピックについて、(必要に応じてストーリーの絵を見せながら) 教室内で話し合いのきっかけとなる問いかけをします。
- どうして植物は 花粉が必要なの?(植物は、種を作るときに、ほかの花から花粉をもらう必要があります。)
- 花粉は、どうやって花から花へと運ばれるの?(ハチドリなどの鳥、ミツバチやチョウなどの昆虫は、花にとまったときに体についた花粉を別の花に残すことで、様々な植物の受粉を助けています。)
- 動物が花粉を運びやすくするためについている 花の部分は何?(おしべは、動物の体に花粉をつけやすいようにできています。めしべは、動物が運んできた花粉を受け取りやすくできています。)
SPIKE ベーシック セットとプログラミング用デバイスを各グループに1セットずつ配ります。
探究する
(少人数グループ・25分)
組み立てやプログラミングに取り組む際に、参考として下のデザイン例を見せても (配布しても) よいでしょう。ただし、画像はアイデアのひとつであることを明確に伝え、自由なアイデアでデザインを考えて組み立てるよう促します。
児童のタスク:
- 基本モデルを使って、動物が花から花へ花粉を運ぶようすを、マリアといっしょに学べるようなモデルを組み立てる。
- 受粉がいつ、どんなふうに行われるかを示すよう、モデルをプログラミングする。
動物が花から花へ運ぶ花粉をレゴ®パーツで表現する方法について、たくさんのアイデアを出して話し合うよう促します。花粉を運べるようなモデルを作るよう、児童を導いてください。
作業時間の途中で、通常の授業で慣れた話し合いのスタイルで、児童にアイデア交換を促し、そこでひらめいたアイデアをもとにモデルを改良させます。
デザイン例
説明する
(クラス全員・10分)
クラス全員を集めて発表の時間を設けます。
グループごとに自分たちが作ったモデルを使って、次のポイントを説明し、実演も行います。
- 動物が花粉を体につけやすいようにできている花の部位はどこ?運んでもらった花粉を受け取るための花の部位はどこ?
- 動物が花から花へ花粉を運ぶときに役にたつ体の部分。
- 植物の受粉に動物が大切な役割を果たしている理由。
モデルの機能を向上するためにどんな改良をしたのかを、お互いに発表しあいます。
パートBの説明するにそのまま進む場合は、児童たちにモデルを分解しないでそのままにしておくよう指示します。モデルを分解した場合は、組み立て直す時間を与えてください。
パートB (45分)
説明する
(クラス全員・10分)
- パートAの説明するからもう一度繰り返し、今までに発表していないグループは実演と説明をします。
さらに実践する
(クラス全員・30分)
(5分) 児童たちが実践を深められるような情報を与えます。
- 花が受粉すると、中に種がある実ができる。
- その実を食べた動物が、ほかの場所で糞をして種を置いてくることがある。
- また、シカ・ウサギ・イヌなどの動物の毛にくっついた種が、動物が別の場所へ移動したときに地面に落ちることもある。
(20分) アプリを使って次の課題が成功するまで、モデルのテストを繰り返すよう促します。
- 動物が、種を様々な場所に運んで広めるようすを示すモデルを考えてデザインし、組み立ててプログラミングする。
(5分) 次のことがらについて、わかったこと・考えたこと・使った技術をお互いに発表しあいます。
- 課題をクリアするのに役立ったこと。
- 組み立て中に学んだこと。
作業した場所と使ったセットを片付ける時間を取ります。
評価する
(クラス全員・5分)
- アイデア出し、組み立て、プログラミングの間に児童たちが考えたことや決めたことを引き出すような問いかけをします。
この学習におけるルーブリックの例
学習の目的を確認します。(教員用サポートを参照)
次のポイントについて、児童の学習進度をチェックします。
- 植物と動物の間の花粉のやりとりを示すモデルの、花粉を表現するパーツを動かすことはできますか?
- 動物が植物に直接触れることで花粉が運ばれることを説明できていますか?
- 花粉を別の花に運ぶ受粉と種を別の場所に運ぶ伝播で、動物が大切な役割を果たしている理由を説明できていますか?
自己評価
各自に、自分ができたことのレベルに合うブロックを選んで、成績をつけてもらいます。
- 青色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできると思う。
- 黄色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできる。
- 緑色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできて、クラスメートを手つだうこともできる。
仲間とのふり返り
少人数グループで、いっしょに作業した体験について話し合ってもらいます。
次のような表現を使うように促してください。
- XXさんが…したのはよかったと思う。
- XXさんが…したやり方をもっと教えて欲しいです。
個別対応
課題の難易度を下げる工夫:
- 児童に特定の動物 (ミツバチ、鳥、コウモリなど) を割り当てて、最初のモデル作りの選択肢を限定します。児童に「はい/いいえ」で答えられる問いかけをして、説明を引き出します。
課題の難易度を上げる工夫:
- さらに実践するセクションに追加アクティビティを加える: さらに実践するセクションで、種を別の場所に運ぶ方法の選択肢の幅を広げ (風や水の力など)、モデル作りに挑戦します。
発展課題
- オオカバマダラという、受粉に大切な役割を果たすチョウがいることを児童に伝えます。このチョウの個体数の変化を示す棒グラフを見せてください (オオカバマダラ 個体数などで画像検索)。棒グラフの数字 (百万の桁以上の数字だけ) を使って、ある年の個体数から別の年の個体数を引いたり、2つの年の個体数を足したりします。たとえば、2015年の百万単位の数が42で、2014年の百万単位の数が25の場合、この2つの年の個体数の差はいくつでしょうか?
発展課題を行うと、45分間を超えるレッスンになります。
教師用サポート
児童のタスク:
- 動物が花粉を運ぶことが、植物の役に立っていることを説明する。
- 花粉を花から別の花へ運ぶところを正確に示すモデルを組み立てる。鳥・コウモリ・昆虫のいずれかが直接花粉に触れて、別の花へ運ぶところを表す。
(2人一組)
- レゴ® エデュケーション SPIKE™ ベーシック 1セット
- レゴ エデュケーション SPIKE アプリをインストールしたデバイス 1つ
- 準備セクションの「準備するもの」参照
- 生活第2-2-(7) 動物を飼ったり植物を育てたりする活動を通して,それらの育つ場所,変化や成長の様子に関心をもって働きかける
- 理科第5学年2-B-(1)-ア-(エ) 花にはおしべやめしべなどがあり,花粉がめしべの先に付くとめしべのもとが実になり,実の中に種子ができること。
- 総則第3節-1-(3)-イ 児童がプログラミングを体験しながら,コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動
- 生活第3-2-(4) コンピュータなどの情報機器について適切に活用する。
- 国語第1学年及び第2学年2-A-(1) 話すこと・聞くこと
- 算数第1学年2-A-(1), (2) 数と計算
算数発展課題
- 算数第3学年2-D-(1) データの分析