動物の体
ゾウが何かを食べているのを見かけたマリア。長い鼻をどうやって使っているのかな?マリアといっしょに学ぼう。
準備
(注: このレッスンはパートAとパートBに分かれています。どちらのパートも学習指導要領に関連した学習に大切な内容が含まれています。時間が限られている場合、両パートを確認したうえで授業で扱う部分を適宜選んでください。)
このレッスンでは、デザイン例を参考にして、児童たちに動く長い鼻を持つゾウのモデルを組み立ててもらいます。自分たちの自由なアイデアでデザインを考えて、組み立てるよう促しましょう。
- 予備知識を身につけよう - 動物の体: 理科の教科書・教材を使って、情報・図/画像・用語の定義などを予備知識として学びます。
- 動物の体の中には、心臓・胃・肺などの臓器があります。また、ゾウには長い鼻・耳・目・キバ・脚・足などの外面的な特徴もあります。
- 動物の体の構造は、成長や生存に欠かせない機能 (食べることなど) を果たすのに役立っています。
- ゾウの鼻にはたくさんの役割があり、息をする・においを嗅ぐ・食べものや水を口に運ぶ・何かを伝えることなどができます。
- ゾウの鼻は、19kmも離れた場所にある食べものや水のにおいを嗅ぎ分けることができます。そのおかげで、一日に約180kgもの食べものを集めて、食べることができます。長い鼻には、最大で約9Lの水を蓄えられるほか、6.7mの高さの木の枝にある食べものを取ったり、290kgを超える重いものを持ち上げたりもできます。
- 自然界で起こること (ゾウの長い鼻は生存に役立っている) について意見や主張を文章化し発表します。根拠となる証拠、事実のデータ、実証できるモデルが含まれている必要があります。
- 重要なキーワード: 外部構造 (こうぞう)・臓器 (ぞうき)・機能 (きのう)・生存 (せいぞん)
- モデルの組み立てとプログラミング:ユニットプランの学習前の推奨事項をご確認ください。その他の準備:
- SPIKE アプリの [開始] メニューにある [モーター] のチュートリアルアクティビティで復習する。
- SPIKE アプリの [ヘルプ]>[ワードブロック] にあるイベントブロック、サウンドブロック、モーターブロックのセクションを読み、詳しい使い方や役割を知る。
パートA (45分)
関心を引きつける
(クラス全員・10分)
ストーリーの主なキャラクターと最初の課題を紹介します: ゾウが何かを食べているのを見かけたマリア。長い鼻をどうやって使っているのかな?マリアといっしょに学ぼう。
考える — このレッスンのトピックについて、(必要に応じてストーリーの絵を見せながら) 教室内で話し合いのきっかけとなる問いかけをします。
- ゾウの体の中のしくみ (内部構造) と体の外のしくみ (外部構造) にはどんなものがあるかな? (内部: 心臓・脳・胃・腎臓・肺など、外部: 目・大きな耳・シワシワの皮膚・長い鼻・キバ・脚・足・尾など)
- ゾウは長い鼻を使って何をするのかな? (物を動かす、食べものや水を口に運ぶ、音を出すなど)
- ゾウが生きていくために、長い鼻がどんなふうに役立つんだろう? (生きるために必要な空気を吸う・食べものや水を口に運ぶ、たがいの安全を守るために音で仲間に危険を知らせるなど)
- そのほかにも、生きるために役立つゾウの体のしくみ (構造) をあげてみよう。 (大きな耳とシワシワの皮膚は、熱を逃したり水分を保ったりして体温を下げるのに役立ちます。キバは身を守り、食べものを取るのに使います)
SPIKE ベーシック セットとプログラミング用デバイスを各グループに1セットずつ配ります。
探究する
(少人数グループ・25分)
組み立てとプログラミングに取り組む際に、参考として下のデザイン例を見せても (配布しても) よいでしょう。ただし、画像はアイデアのひとつであることを明確に伝え、自由なアイデアでデザインを考えて組み立てるよう促してください。
児童のタスク:
- 基本モデルを使って、長い鼻が動くゾウのモデルを組み立てる。
- ゾウのモデルが、長い鼻を使って食べものを取ったり、鳴き声を出したりできるようにプログラミングする。
ゾウの長い鼻の役割を示すのに役立つアイテム (食べもの・水・土など) をレゴ®パーツやそのほかの工作材料で作る方法について、たくさんのアイデアを出して話し合うよう促します。さらに、モーターの回転数を変えたり、音を変えたりするプログラミングの方法を見つけ出せるよう手助けしてください。
作業時間の途中で、通常の授業で慣れた話し合いのスタイルで、児童にアイデア交換を促し、そこでひらめいたアイデアをもとにモデルを改良させます。
デザイン例
説明する
(クラス全員・10分)
クラス全員を集めて発表の時間を設けます。
グループごとに自分たちが作ったモデルを使って、次のポイントを説明し、実演も行います。
- ゾウが長い鼻を使って高い枝にある食べものを取るしくみや、長い鼻の役割が成長に役立っている例。
- ゾウが鼻で大きな音を出すしくみと、それが仲間同士のやりとりに役立っている例。
モデルの機能を向上するためにどんな改良をしたのかを、お互いに発表しあいます。
パートBの説明するにそのまま進む場合は、児童たちにモデルを分解しないでそのままにしておくよう指示します。モデルを分解した場合は、組み立て直す時間を与えてください。
パートB (45分)
説明する
(クラス全員・10分)
- パートAの説明するの内容を繰り返し、さらに多くのグループに実演と説明を行ってもらいます。
さらに実践する
(クラス全員・30分)
- (5分) 児童たちが実践を深められるような情報を与えます。
- 内部構造は、動物の体内のしくみですが、体内のものをモデルの外側につけて役割を表して良いと伝えます。
- 内部構造には肺・胃・心臓・脳などがある。
- それぞれに息をする (肺)、食べる (胃)、血を送りだす (心臓)、考える・ほかの機能を制御する (脳) など、異なる機能がある。
- 体の中のしくみをブロックを使って表現するには、1) 赤色のブロック1つを心臓に見立てて、ライトか音で「鼓動 (心臓のドキドキ)」を表現するようにプログラミングする、2) 白色か透明のブロック2つを肺に見立てて、自分の呼吸 (息を吸ったりはいたり) を録音した音を再生するようにプログラミングする、3) センサーを脳に見立てて、ゾウのモデルのほかの部分に何かをさせる (耳を動かすなど)、が考えられます。
- (15分) アプリを使って次の課題が成功するまで、児童たちにモデルのテストを繰り返すよう促します。
- ゾウのモデルに、体の中のしくみを表すパーツを追加する。ゾウが生きるうえでそのしくみが役立っているようす (たとえば、息をするときに肺を使う、食べるときに胃を使うなど) を表せるようにモデルをプログラミングする。
サンプルコード:
(10分) 次のことがらについて、わかったこと・考えたこと・使った技術をお互いに発表しあいます。
- 課題をクリアするのに役立ったこと。
- 組み立て中に学んだこと。
作業した場所と使ったセットを片付ける時間を取ります。
評価する
(クラス全員・5分)
- アイデア出し、組み立て、プログラミングの間に児童たちが考えたことや決めたことを引き出すような問いかけをします。
この学習におけるルーブリックの例
体の外部構造である長い鼻は、高いところにある食べものを取ったり、音を出したりすることで、ゾウの生存に役立っていると説明できていますか?
学習の目的を確認します。(_教員用サポート_を参照)
次のポイントについて、児童の学習進度をチェックします。
- 鼻が動き、肺や胃などの臓器のあるゾウのモデルを組み立ててプログラミングしていますか?(鼻から音が出るモデルの場合もあります。)
- ゾウの外部構造である長い鼻が、高いところにある食べものを取ったり、何かを伝えるために音を出したりするのに役立っていることをモデルを使って実証し、説明できていますか?
- ゾウの臓器である肺や胃が、息をしたり、食べたりするのに役立っていることをモデルを使って実証し、説明できていますか?
自己評価
各自に、自分ができたことのレベルに合うブロックを選んで、成績をつけてもらいます。
- 青色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできると思う。
- 黄色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできる。
- 緑色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできて、クラスメートを手つだうこともできる。
仲間とのふり返り
少人数グループで、いっしょに作業した体験について話し合ってもらいます。
次のような表現を使うように促してください。
- XXさんが…したのはよかったと思う。
- XXさんが…したやり方をもっと教えて欲しいです。
個別対応
課題の難易度を下げる工夫:
- 最初の課題で終わりにする:体の外部構造のみに注目し、ゾウが鼻を使って食べものを取る方法をモデル化します。さらに実践するセクションでは、組み立てだけに取り組み、プログラミングを省きます。
課題の難易度を上げる工夫:
- さらに実践するセクションに追加アクティビティを加える: さらに実践するセクションで作ったモデルを、体のしくみを2つ示すモデルに変える課題を与えます。たとえば、長い鼻で食べものを取り、胃でその食べものを消化するなど。この2つのしくみがいっしょに働くことで、ゾウが成長し、生存に役立っているようすを説明します。
発展課題
- 動物と植物の内部構造と外部構造について学べる資料を用意し、児童に動物か植物のいずれかを選んでもらい、その植物/動物の体のしくみが生息環境でどのように役立っているのかを説明する科学博物館のパンフレット風の文章を書くよう促します。
発展課題を行うと、45分間を超えるレッスンになります。
教師用サポート
児童のタスク:
- ゾウの鼻が水を飲む・食べる・水浴びをする・仲間同士のやりとりに役立つことを示すモデルを組み立てる。
- ゾウの体の内部外部両面のしくみが、生きていくうえで欠かせない役割を果たしていることをモデルで示し、その証拠をもとに説明する。
(2人一組)
- レゴ® エデュケーション SPIKE™ ベーシック 1セット
- レゴ エデュケーション SPIKE アプリをインストールしたデバイス 1つ
- 理科第6学年2-B-(1), (3) 人の体の作りと働き、生物と環境
- 総則第3節-1-(3)-イ 児童がプログラミングを体験しながら,コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動
- 理科第3-2-(3) コンピュータや情報通信ネットワークなどの適切な活用
- 国語第5学年及び第6学年2-A-(1) 話すこと・聞くこと
国語発展課題
- 国語第5学年及び第6学年2-B-(2) 書く活動