エネルギー資源
ある日、風力発電を見かけたソフィー。どんな仕組みでエネルギーができるんだろう?不思議だね。自然から何度でもくりかえしてエネルギーをもらえる方法には、ほかにどんな物があるかな?
準備
(注: このレッスンはパートAとパートBに分かれています。どちらのパートも学習指導要領に関連した学習に大切な内容が含まれています。時間が限られている場合、両パートを確認したうえで授業で扱う部分を適宜選んでください。)
このレッスンの学習のポイントは、様々なエネルギー資源に関する探究を通じて得られます。児童たちが学んだことを示すひとつの手段として、再生可能エネルギーを1種類選んでモデルを作ります。風力発電のデザイン例を参考に、自分たちのアイデアで風力タービンまたは別の再生可能エネルギーのモデルを組み立てるよう児童たちを促してください。
- 理科の基礎知識 - エネルギーしげん:
- 風力発電の羽が回ることで、風力を電気に変えるようすをモデルを使って示します。
- 羽が回ってできた電気をライトマトリクスで表現します。
- 風車は多くの児童が見たことがあるでしょう。風車は風を回転エネルギーに変える (たとえば粉をひくための臼を回すなど) もので、電気は作りません。
- 予備知識を身につけよう - エネルギーしげん: 理科の教科書・教材を使って、情報・図/画像・用語の定義などを予備知識として学びます。
- 再生可能なエネルギーと再生不能エネルギーについて知っていること、そしてこうした資源を使うことが環境に与える影響について、考えさせます。調査をする中で、このトピックについて知識を深めます。
- 風からのエネルギーを電気に変えるのが、風力発電です。一方、風からのエネルギーを使って、水をくみ上げたり、粉をひいたりする機械を回すのが風車です。
- 重要なキーワード: 再生可能 (さいせいかのう) エネルギー・再生不能 (さいせいふのう) エネルギー・化石燃料 (ねんりょう)・風力タービン・環境 (かんきょう)
- モデルの組み立てとプログラミング: ユニットプランの学習前の推奨事項をご確認ください。その他の準備:
- SPIKE アプリの [開始] メニューにある [モーター] と [ライト] のチュートリアルアクティビティで復習する。
- SPIKE アプリの [ヘルプ]>[ワードブロック] にあるイベントブロック、ライトブロック、モーターブロックのセクションを読み、詳しい使い方や役割を知る。
- プログラムの安定性を上げるため、付属の白いUSBケーブルでハブとデバイスをつなぐ。安定した環境では、羽の回転スピードに応じてライトの明るさが変わることがデータでわかりやすく示され、風力発電で作られる電気量の増減に似ていることがよくわかります。
- 準備するもの: 児童が風車と風力発電の違いを見て区別できる画像を用意する。再生可能資源と再生不能資源 (太陽・風・原子力・化石燃料など) の説明、資源利用とその環境への影響について、学年に応じた調査資料を見つけておく。授業でこの資料の情報を取り入れる方法を検討する。
パートA (45分)
関心を引きつける
(クラス全員・10分)
ストーリーの主なキャラクターと最初の課題を紹介します: ある日、風力発電を見かけたソフィー。どんな仕組みでエネルギーができるんだろう?不思議だね。何度でもくりかえしてエネルギーを作る方法には、ほかにどんな物があるかな?ソフィーといっしょに学ぼう。
考える — このレッスンのトピックについて、(必要に応じてストーリーの絵を見せながら) 教室内で話し合いのきっかけとなる問いかけをします。
- 風力って、どんなエネルギー資源だと思う?それはなぜ?(風はいつでもまた吹くので、くり返し使える再生可能資源です。)
- なぜエネルギーが再生可能と言えるのしょうか。例もあげられるかな?(自然がいつでもくり返し生み出していることが条件です。風の力、流れる川の水、太陽の光などをあげましょう。)
- なぜエネルギーが再生不可能と言われるのはなぜでしょうか。例もあげられるかな?(使ってしまったら終わりで、さらに作って手に入れることができないことが条件です。石油・天然ガス・石炭などの化石燃料、原子力エネルギーに使うウランなどを挙げましょう。)
- いろいろなエネルギーを人間が使うことで、環境にどんな影響があるんだろう?(ダムを作ることで、動物は住む場所を奪われたり、地中から石を掘り出すことで地表がくずれたり、化石燃料を燃やすことで空気が汚れたりします。)
SPIKE ベーシック セットとプログラミング用デバイスを各グループに1セットずつ配ります。
探究する
(少人数グループ・25分)
児童たちの作業中に、下のデザイン例を見せて、風力で電気を作り出している風力発電のモデル/プログラミングの例であることを説明してもよいでしょう。風力発電を作るか、別の再生可能エネルギーのモデルを作るかは、選ばせます。
児童のタスク:
- 少なくとも2つの情報源から、再生可能エネルギーと再生不能エネルギーについて調べ、人間がどのように資源を使い、環境へどんな影響があるかもあわせて探る。(教室内で最も良い調査ができた児童を確認してください。)
- 再生可能資源をひとつ選ぶ。
- 選んだ再生可能エネルギー資源について学んだことを示すモデルを組み立ててプログラミングに取りかかる。
レゴ®パーツを使ってモデルを作る方法について、たくさんのアイデアを出して話し合うよう促します。風力発電を作る場合、細長いパーツを羽として使ったり、手で羽根を回すとライトマトリクスが光ったりするようにプログラミングするなどが考えられます。手で羽根を回す速度を変えて、ライトマトリクスの光が変わるかどうかを見ることもできるでしょう。
デザイン例
説明する
(クラス全員・10分)
クラス全員を集めて発表の時間を設けます。
グループごとに自分たちが作ったモデルを使って、次のポイントを説明し、実演も行います。
- モデルを使って再生可能エネルギーを表すしくみ。
- そのエネルギー資源の使い方。
- 選んだ再生可能エネルギーが環境に与えるプラス面とマイナス面の影響を再生不能エネルギーと比べる。
作業の進み具合を発表しあい、他の児童の発表からひらめいたアイデアを取り入れるよう促します。
パートBの「説明する」にそのまま進む場合は、児童たちにモデルを分解しないでそのままにしておくよう指示します。モデルを分解した場合は、組み立て直す時間を与えてください。
パートB (45分)
説明する
(クラス全員・10分)
- パートAの説明するからもう一度繰り返し、児童たちに発表や、アイデア出しと話し合いをさらに行って、モデル作りを続けりよう伝えます。
さらに実践する
(クラス全員・30分)
児童のタスク:
- (15分) 風力など再生可能エネルギーのモデルの組み立てとプログラミングを続ける。
- (10分) 完成したモデルを使って、再生可能エネルギーと再生不能エネルギーの両方について学んだことを発表し合う。
(5分) 次のことがらについて、わかったこと・考えたこと・使った技術をお互いに発表しあいます。
- 課題をクリアするのに役立ったこと。
- 調査やモデルのデザインを考える間に学んだこと。
作業した場所と使ったセットを片付ける時間を取ります。
評価する
(クラス全員・5分)
- アイデア出し、組み立て、プログラミングの間に児童たちが考えたことや決めたことを引き出すような問いかけをします。
この学習におけるルーブリックの例
学習の目的を確認します。(_教員用サポート_を参照)
次のポイントについて、児童の学習進度をチェックします。
- 調査するための情報源を2つ選んでいますか?
- 再生可能エネルギーと再生不能エネルギーについて、それぞれ正確に説明できていますか?
- 選んだエネルギー資源はどこから生まれ、人がそれをどんなふうに使っているかを正確に説明できていますか?
- 選んだ再生可能エネルギーが環境に与えるプラス面とマイナス面の影響について、再生不能エネルギーと比べて説明できていますか?
- 選んだ再生可能エネルギーを正確に表すモデルを組み立ててプログラミングできていますか?
自己評価
各自に、自分ができたことのレベルに合うブロックを選んで、成績をつけてもらいます。
- 青色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできると思う。
- 黄色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできる。
- 緑色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできて、クラスメートを手つだうこともできる。
仲間とのふり返り
少人数グループで、いっしょに作業した体験について話し合ってもらいます。
次のような表現を使うように促してください。
- XXさんが…したのはよかったと思う。
- XXさんが…したやり方をもっと教えて欲しいです。
個別対応
課題の難易度を下げる工夫:
- 再生可能エネルギーと再生不能エネルギーの数を絞ったリストを用意して、調査の範囲を限定することも可能です。
課題の難易度を上げる工夫:
- より複雑なモデル作りに挑戦させましょう。風力発電なら、羽根が回る向きによってライトの色を変える (羽根が左回りのときは赤、右回りのときは青など)などが考えられます。また、羽根が回るスピードが変わるようにプログラミングすれば、風速が変わったときのようすを表すこともできます。
発展課題
再生可能エネルギーや再生不能エネルギー(どちらか一方でも両方でもよい)を使うことによって環境に与える悪影響を減らすため、人間に何ができるかを調べてもらいましょう。短い動画を作ったり、文章にしたり、児童の好きな方法で、わかったことを発表します。
発展課題を行うと、45分間を超えるレッスンになります。
教師用サポート
児童のタスク:
- 調査資料をもとに、人間が自然界にある再生可能な (何度でもくり返し使える) 資源と再生不能な (くり返し使えない) 資源を使って、エネルギーを得る方法について説明する。
- 調査資料をもとに再生可能資源と再生不能資源を比べ、それぞれを使うことの環境へのプラス面とマイナス面の影響を説明する。
- 再生可能なエネルギー資源を示すモデルを一つ組み立てる。
(2人一組)
- レゴ® エデュケーション SPIKE™ ベーシック 1セット
- レゴ エデュケーション SPIKE アプリをインストールしたデバイス 1つ
- 準備セクションの「準備するもの」参照
- 理科第3-2-(3) 生命を尊重し,自然環境の保全に寄与する態度を養う
- 総則第3節-1-(3)-イ 児童がプログラミングを体験しながら,コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動
- 理科第3-2-(3) コンピュータや情報通信ネットワークなどの適切な活用
- 国語第3学年及び第4学年2-A-(1) 話すこと・聞くこと
- 算数第2学年2―C-(1) 量の単位と測定
国語発展課題
- 国語第3学年及び第4学年2-B-(1)-ア〜オ 書くことに関する次の事項を身に付ける