目が見える仕組み
暗いどうくつを探検中に、ダニエルが何かを見つけたよ。どうしたらもっとよく見えるようにできるかな?
準備
(注: このレッスンはパートAとパートBに分かれています。どちらのパートも学習指導要領に関連した学習に大切な内容が含まれています。時間が限られている場合、両パートを確認したうえで授業で扱う部分を適宜選んでください。)
このレッスンのポイントは、何かが見えるために光がどんな役割を果たすのかを探究することで得られます。デザイン例・組み立て説明・プログラミング例を参考にして、児童に照明車を組み立ててもらいます。好きなデザインで照明車を組み立ててプログラミングするように児童たちを促してください。
- 予備知識を身につけよう - 目が見えるしくみ: 理科の教科書・教材を使って、情報・図/画像・用語の定義などを予備知識として学びます。
- 物体の表面に光が反射して (はねかえって)、その光が目に入ります。
- 網膜 (もうまく) は、光や色を受け取る目の部分です。
- 目が光や色を受け取ると、その信号を脳へと送ります。脳が信号を受け取ると、物体を見ることができます。
- 重要なキーワード: 反射 (はんしゃ) 光・目・網膜 (もうまく)
- モデルの組み立てとプログラミング:ユニットプランの学習前の推奨事項をご確認ください。その他の準備:
- SPIKE アプリの [開始] メニューにある [モーター] と [ライト] のチュートリアルアクティビティで復習する。
- SPIKE アプリの [ヘルプ]>[ワードブロック] にあるイベントブロックとライトブロックのセクションを読み、詳しい使い方や役割を知る。
- 照明車を動かせるようにモーターをつけてプログラミングし (ヒント:「大きなバス」レッスンのモデルを参考にします)、さらに実践するセクションに挑戦するときのアイデアや組み立てのサポートにする。
- 準備するもの: ライトマトリクスの光が見える程度の薄暗いスペース。教室のカーテンを閉める、天井の照明を消すなどのほか、大きめのダンボール箱にのぞき穴をつけてモデルをテストすることもできます。
パートA (45分)
関心を引きつける
(クラス全員・10分)
ストーリーの主なキャラクターと最初の課題を紹介します: 暗いどうくつを探検中に、ダニエルが何かを見つけたよ。どうしたらもっとよく見えるようにできるかな?
考える — このレッスンのトピックについて、(必要に応じてストーリーの絵を見せながら) 教室内で話し合いのきっかけとなる問いかけをします。
- 暗いところで何かを見たいときにはどうしたらいい?(懐中電灯などの光を物体に当てて、反射させます。)
- 光がさえぎられて物体に当たらないとき、見え方はどんなふうになる?(光はさえぎる物を通りぬけられないので、物体には光が反射しなくなります。光が目に入らないと、目からの信号が脳に送られないので、物体を見ることはできません。)
- 光がさえぎられてしまって物体が見えないときはどうしたらいい?(ライトを動かす、光をさえぎっている物を動かす、見たい物体を動かすなどがあります。)
SPIKE ベーシック セットとプログラミング用デバイスを各グループに1セットずつ配ります。
探究する
(少人数グループ・25分)
児童の作業中に、画像や組み立て説明はあくまでも一例でしかないことを明確に伝えてください。自分たちのデザインで、照明車を組み立てるよう促しましょう。
児童のタスク:
- どうくつの中の物を見るため、基本モデルを使って動くライトを組み立てる。車のフロントにライトをつけよう。
- 光の道すじが変わることで物体の見え方が変わることを示すように、作ったモデルをプログラミングする。
- モデルをテストする (暗い場所で実験します ― 準備参照)。
レゴ®パーツを使って、何かを見るときの光の役割を示すモデルを作る方法について、たくさんのアイデアを出して話し合うよう促します。たとえば、ライトマトリクスを懐中電灯のように使ったり、レゴ プレートを壁に見立てて物体に当たる光をさえぎったりもできます。ライトやさえぎる壁などのパーツを動かすと、光の道すじが変わり、物体の見え方も変わることを調べやすくなります。
作業時間の途中で、通常の授業で慣れた話し合いのスタイルで、アイデア交換を促し、そこでひらめいたアイデアをもとにモデルを改良するよう伝えます。
デザイン例
説明する
(クラス全員・10分)
クラス全員を集めて発表の時間を設けます。
グループごとに自分たちが作ったモデルを使って、次のポイントを説明し、実演も行います。
- 物体に当たって反射した光が目に入ることで物体が見えるしくみ。
- 物体に当たる光がさえぎられていると、物体が見えない理由。
モデルの機能を向上するためにどんな改良をしたのかを、お互いに発表しあいます。
パートBの説明するにそのまま進む場合は、児童たちにモデルを分解しないでそのままにしておくよう指示します。モデルを分解した場合は、組み立て直す時間を与えてください。
パートB (45分)
説明する
(クラス全員・10分)
- パートAの説明するの内容を繰り返し、さらに多くのグループに実演と説明を行ってもらいます。
さらに実践する
(クラス全員・30分)
(5分) 児童たちが実践を深められるような情報を与えます。壁の場所はそのままでも、照明車を動かすと光の道すじが変わる理由を話し合う。(光の道すじがレゴ プレートの壁でさえぎられていましたが、 照明車を右や左に動かすと、光が壁にぶつからないようにできます。)
(15分) アプリを使って次の課題が成功するまで、児童たちにモデルのテストを繰り返すよう促します。
- 照明車をいろいろな場所に動かせるようにモデルのモーターをプログラミングする。(ヒント:「大きなバス」レッスンのモデルのアイデアを見てみよう。)
- 照明車の場所を変えると光の道すじが変わり、物体の見え方も変わることを示す。照明車を動かしたら、ダニエルは物体がよく見えるようになった理由もあわせて説明する。
(10分) 次のことがらについて、わかったこと・考えたこと・使った技術をお互いに発表しあいます。
- 課題をクリアするのに役立ったこと。
- 組み立て中に学んだこと。
作業した場所と使ったセットを片付ける時間を取ります。
評価する
(クラス全員・5分)
- アイデア出し、組み立て、プログラミングの間に児童たちが考えたことや決めたことを引き出すような問いかけをします。
この学習におけるルーブリックの例
学習の目的を確認します。(_教員用サポート_を参照)
次のポイントについて、児童の学習進度をチェックします。
- 作ったモデルには、車輪などの動く装置とライトがついていますか?
- わたしたちの目が物を見るためには、物体に当たって反射した光が必要であることを、モデルを使って説明できていますか?
- 物体に当たる光の道すじがさえぎられると物体が見えなくなるしくみを、モデルを使って説明できていますか?
自己評価
各自に、自分ができたことのレベルに合うブロックを選んで、成績をつけてもらいます。
- 青色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできると思う。
- 黄色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできる。
- 緑色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできて、クラスメートを手つだうこともできる。
仲間とのふり返り
少人数グループで、いっしょに作業した体験について話し合ってもらいます。
次のような表現を使うように促してください。
- XXさんが…したのはよかったと思う。
- XXさんが…したやり方をもっと教えて欲しいです。
個別対応
課題の難易度を下げる工夫:
- はじめの課題を元にする: 車の機能をつけずにライトマトリクスを使って照明を組み立て、プログラミングさせますj。光をさえぎる壁を置く場合と置かない場合で、ライトの働きをテストさせます。
課題の難易度を上げる工夫:
- さらに実践するセクションに追加アクティビティを加える: さらに実践するセクションで作ったモデルのプログラミングをし直し、ライトマトリクスのピクセルの明るさを0%・25%・50%・75%・100%に変化させます。明るさのレベルを変えることで物体の見え方がどのように変わるかを観察させます。
発展課題
- (人間は暗いところではよく見えませんが) 暗いところでもよく見ることができる動物について学べる資料を配ります。その中の動物を1種類選んで、その動物が暗いところでも見ることができるしくみやどれほど遠くまで見られるのかを調べ、新聞記事風にまとめてさせます。
発展課題を行うと、45分間を超えるレッスンになります。
教師用サポート
児童のタスク:
- 移動式照明装置を組み立てる。
- モデルを使って、物体の表面から反射した光が目に入ることでその物体が見えるしくみを説明する。
- モデルを使って、光がさえぎられたり、弱くなったりした場合にどうなるかを説明する。
(2人一組)
- レゴ® エデュケーション SPIKE™ ベーシック 1セット
- レゴ エデュケーション SPIKE アプリをインストールしたデバイス 1つ
- 準備セクションの「準備するもの」参照
- 理科第3学年2-A-(3)-ア-(ア) 日光は直進し,集めたり反射させたりできること
- 総則第3節-1-(3)-イ 児童がプログラミングを体験しながら,コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動
- 理科第3-2-(3) コンピュータや情報通信ネットワークなどの適切な活用
- 国語第3学年及び第4学年2-A-(1) 話すこと・聞くこと
国語・算数発展課題
- 国語第3学年及び第4学年2-B-(2)-ア 調べたことをまとめて報告するなど,事実やそれを基に考えたことを書く活動