風でとばされないようにしよう
ダニエル、ソフィー、レオ、マリアは、風の強い日にこうえんに出かけたよ。すると、強い風でこうえんの土がたくさんとばされていることに気づいたんだ。こうえんの生きものたちはこまらないかな?なかよし4人組といっしょに、こうえんの土をまもろう。
準備
(注: このレッスンはパートAとパートBに分かれています。どちらのパートも学習指導要領に関連した学習に大切な内容が含まれています。時間が限られている場合、両パートを確認したうえで扱う部分を適宜選んでください。)
このレッスンの学習のポイントは、ひとつの問題に対する複数の解決法を比較することで得られます。2人一組で、風による (公園の) 地形の変化を抑えたり防いだりする方法を考えてモデルを組み立て、クラスメートが考え出した方法と比べます。
レッスンでは考えるヒントとしていくつかの提案を挙げています。自分たちの自由なアイデアで防風対策を考えて、組み立てるよう促しましょう。正解となるモデルが1つだけではないことを明確に伝えましょう。
- 生活科の基礎知識 - 風でとばされないようにしよう: このレッスンで作る防風対策モデルには、樹木を並べる、壁を作るなど、さまざまなデザインが考えられます。風を起こして当てて、防風効果のあるモデルを作ります。
- 予備知識を身につけよう - 風でとばされないようにしよう: 理科の教科書・教材を使って、情報・図/画像・用語の定義などを予備知識として学びます。
- 風の小さな粒が崖や岩などの陸地にぶつかることで、地表に風化が起きます。それがくり返されていくと、表面がぼろぼろと小さなかけらになってくずれます。
- 岩石や土の細かい粒 (砂など) が風でふきとばされることで、地表に侵食が起きます。それがくり返されていくと、重く大きな粒だけが残り、地面の高さが低くなり、ゴツゴツした岩石ばかりになります。
- 人間は風や水の力で地形が変わるのを抑えたり防いだりするため、壁・木・低木などを使った防風対策をはじめ、様々な工夫をしています。風が強い地域で農耕する場合には、牧草などを植えて土が風で吹き飛ばされないようにすることもあります。
- 重要なキーワード: 侵食 (しんしょく)・風化 (ふうか)・(オプション: 粒子(りゅうし)・陸地 (りくち))
- モデルの組み立てとプログラミング: ユニットプランの学習前の推奨事項をご確認ください。その他の準備:
- 「楽しいゆう園地」ユニットのレッスンを1つ以上行い、組み立てとプログラミングの力をつけ、このレッスンの課題に備えます。
- 準備するもの:
- 風化と風による侵食について、学年に応じた発展課題用の資料を見つけておくとともに、レッスンのモデル作りに使う工作材料を集めておきます。工作材料や資料を児童に配る方法を決めておきましょう。
####パートA (45分)
関心を引きつける
(クラス全員・10分)
ストーリーの主なキャラクターと最初の課題を紹介します: ダニエル、ソフィー、レオ、マリアは、風の強い日にこうえんに出かけたよ。すると、強い風でこうえんの土がたくさんとばされていることに気づいたんだ。こうえんの生きものたちはこまらないかな?なかよし4人組といっしょに、こうえんの土をまもろう。
考える — このレッスンのトピックについて、(必要に応じてストーリーの絵を見せながら) 教室内で話し合いのきっかけとなる問いかけをします。
- 強い風が長い間吹いたら、公園の土はどうなってしまうだろう?公園の地形が変わってしまうかな?(公園の土が飛ばされるかも知れません。長い時間をかけて、土がすりへっていき、公園が岩だらけになったり、地形が変わったりします。)
- 風化って何?侵食って何?どうしておこるの?公園の動物たちは、どんなふうに困るのかな?(予想される回答:風化は、水や風が長い間にわたって当たることで陸地や岩石の表面がもろくなり、小さな粒になっていくことです。侵食は、地表の一番軽くて小さい粒が風や水で運ばれていくことで起こります。どちらも、風・波・雨・氷などが原因で起こります。また、どちらも地形が変わる原因になります。公園の土が飛んでいってしまう (侵食) と、動物のすみかや食べものが見つからなくなって、動物が困ってしまうことがあります。)
- 公園の土が風で飛ばされてしまわないように 守る方法を考えよう。(予想される回答:木を並べて植える、壁を作るなどの防風対策を組み立てるといった回答が考えられます。)
SPIKE ベーシック セットとプログラミング用デバイスを各グループに1セットずつ配ります。
探究する
(少人数グループ・25分)
このレッスンは、オープンエンドの課題であり、モデルを自由に考えて組み立てて良いことを改めて伝えてください。防風林はアイデアのひとつです。また、「天気のさいがいにそなえよう」のモデルも参考にできるかも知れません。風の起こし方も、SPIKE ベーシックセットのふたであおぐなど、様々な工夫ができます。正解となるモデルが1つだけではないことを明確に伝えましょう。
児童のタスク:
- 風で公園の地形が変わってしまうのを防ぐ対策をデザインし、絵を描く。
- 通常の授業で慣れた話し合いのスタイルで、アイデア交換やデザインの特徴の発表をし、そこでひらめいたアイデアをもとに一番よいデザインになるように工夫します。
- ダニエル、ソフィー、レオ、マリアをお手伝いし、公園の土を風から守る取り組みに役立つモデルの組み立てとプログラミングに取りかかります。
レゴ®パーツで防風対策モデルを作る方法について、たくさんのアイデアを出して話し合うよう促します。緑の植物型ブロックで木を表す、モーターで防風対策をコントロールするなどが考えられます。
説明する
(クラス全員・10分)
クラス全員を集めて発表の時間を設けます。
グループごとに自分たちが作っているモデルを使って、次のポイントを説明し、実演も行います。
- 組み立てに選んだデザインとその理由。
- 作ったデザインで風の侵食から公園を守るしくみ。(風をさえぎる機能が必要です。)
- モデルまたはプログラミングのうまくいったところ/うまくいかなかったところ。
- もっとうまく役立つように変えたところ。
発表を見て、一番役立つと思うデザインとそれを選んだ理由をノートに書きます。レッスンの後半で、クラスメートのデザインを比べてます。
パートBにそのまま進む場合は、モデルを分解しないでそのままにしておくよう指示します。モデルを分解した場合は、組み立て直す時間を与えてください。
パートB (45分)
さらに実践する
(クラス全員・35分)
ギャラリーウォーク形式 (各モデルをプレゼンする児童のもとをほかの児童が順に回っていき、途中でプレゼンする児童と巡回する児童を交代する) など、通常の授業で慣れたスタイルで、みんなが作ったモデルを互いに観察する方法を決める。
- 見て回ったモデルが風で土が吹き飛ばされるのを抑えたり防いだりする効果を考えて、デザインをお互いに評価する。(その効果を得るためには、風をさえぎるデザインである必要があります。)
児童のタスク:
- (10分) 防風対策モデルの組み立てとプログラミングを続けます。
- (10分) 完成したモデルを使って、公園の土が風で吹き飛ばされるのを防ぐ方法について学んだことを発表します。
- (10分) 説明するセクションでノートに書いたことと、クラス全員のモデルを観察して評価したことをもとに、各モデルの防風対策の効果を「◯/✕」で投票します。投票結果を集計して、ベストデザインを決めます。
(5分) 次のことがらについて、わかったこと・考えたこと・使った技術をお互いに発表しあいます。
- 課題をクリアするのに役立ったこと。
- 組み立て中に学んだこと。
作業した場所と使ったセットを片付ける時間を取ります。
評価する
(クラス全員・10分)
- アイデア出し、組み立て、プログラミングの間に児童たちが考えたことや決めたことを引き出すような問いかけをします。
この学習におけるルーブリックの例
学習の目的を確認します。(教員用サポートを参照)
次のポイントについて、児童の学習進度をチェックします。
- 風による地形の変化を抑えたり防いだりするための、様々な対策のアイデアが絵や文で示されていますか?
- 風の侵食から公園の土を守るための対策のうちひとつ (防風林など) を表現するモデルとプログラムを作れていますか?
- クラスメートのモデルを観察したときのメモと最後の投票で、風による侵食を防ぐためには風をさえぎる必要があることを理解できたことが示されていますか?
自己評価
各自に、自分ができたことのレベルに合うブロックを選んで、成績をつけてもらいます。
- 青色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできると思う。
- 黄色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできる。
- 緑色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできて、クラスメートを手つだうこともできる。
仲間とのふり返り
少人数グループで、いっしょに作業した体験について話し合ってもらいます。
次のような表現を使うように促してください。
- XXさんが…したのはよかったと思う。
- XXさんが…したやり方をもっと教えて欲しいです。
個別対応
課題の難易度を下げる工夫:
- 壁を作る、並木を作るなど、防風対策のデザインを指定します。
課題の難易度を上げる工夫:
- 風の強さや風が吹き続ける時間の長さなどの要素を具体的に決めてデザインに挑戦するようにします。風が土を吹き飛ばすのを抑えたり防いだりするのが難しいのはどんなときだろう?
発展課題
- 水の侵食による地形の変化について学べる資料を配ります。その中から例を1つ選び、その地形の変化を抑えたり止めたりする対策を口頭で発表します。
発展課題を行うと、45分間を超えるレッスンになります。
教師用サポート
児童のタスク:
- 風による地形の変化を抑えたり防いだりするための、様々な対策を考え、デザインする。
- 風による地形の変化を抑えたり防いだりする対策のモデルを組み立てる。
- クラスメートが作った風による地形の変化を抑えたり防いだりする対策のデザインを比較する。
(2人一組)
- レゴ® エデュケーション SPIKE™ ベーシック 1セット
- レゴ エデュケーション SPIKE アプリをインストールしたデバイス 1つ
- 準備セクションの「準備するもの」参照
- 生活第2-2-(6) 身近な自然を利用したり,身近にある物を使ったりするなどして、その面白さや自然の不思議さに気付く
- 総則第3節-1-(3)-イ 児童がプログラミングを体験しながら,コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動
- 生活第3-2-(4) コンピュータなどの情報機器について適切に活用する。
- 国語第1学年及び第2学年2-A-(1) 話すこと・聞くこと
- 算数第1学年2-A-(1), (2) 数と計算
国語発展課題
- 国語第1学年及び第2学年2-B-(1)-ア〜オ 書くことに関する次の事項を身に付ける