物質
マリアが窓を開けたら、紙が部屋中に飛んでしまった。どうしてこんなことになったのかな?
準備
*(注: このレッスンはパートAとパートBに分かれています。どちらのパートも学習指導要領に関連した学習に大切な内容が含まれています。時間が限られている場合、両パートを確認したうえで扱う部分を適宜選んでください。)
このレッスンでは、デザイン例を参考にして、児童たちに風車を組み立ててもらいます。自分たちの自由なアイデアでデザインを考えて、組み立てるよう促しましょう。
- 理科の基礎知識 - 物質:
- 物質とは、物体が作られる元となるものを指します。
- 物質には質量 (重さ) があり、個体・液体・気体のいずれかの形で一定の大きさをもちます。
- 予備知識を身につけよう - 物質:理科の教科書・教材を使って、情報・図/画像・用語の定義などを予備知識として学びます。
- 風は、動いている空気です。空気もほかの物質と同じように、小さくて目に見えない粒子からできています。(空気を構成する分子や気体の種類について知る必要はありません。)
- 重要なキーワード:物質・空気・粒子 (りゅうし)
- モデルの組み立てとプログラミング:ユニットプランの学習前の推奨事項をご確認ください。その他の準備:
- SPIKE アプリの [開始] メニューにある [モーター] のチュートリアルアクティビティで復習する。
- SPIKE アプリの [ヘルプ]>[ワードブロック] にあるイベントブロックとセンサーブロックのセクションを読み、詳しい使い方や役割を知る。
- 準備するもの:紙のタワーの作り方:1) コピー用紙を縦3等分に切る。2) 3分の1に切った紙の両方の長辺の端を折り曲げて、角括弧 ([) の形にする。3) 風がないときは紙のタワーが直立し、軽い風でも倒れることを確認する (作り方テンプレートを見る)。授業中に児童に紙のタワーを作らせててもよいでしょう。
パートA (45分)
関心を引きつける
(クラス全員・10分)
ストーリーの主なキャラクターと最初の課題を紹介します: マリアが窓を開けたら、紙が部屋中に飛んでしまった。どうしてこんなことになったのかな?
考える — このレッスンのトピックについて、教室内で話し合いのきっかけとなる問いかけをします。
- 空気ってなんだろう?ただ何もない空間かな?(空気は、何もない空間ではありません。目に見えないほど小さなつぶの集まりでできています。)
- 身の回りのことから、空気が何もない空間じゃないという証拠 (しょうこ) を考えられるかな?(タイヤや風船をふくらませる、息を吸ったり吐いたりする、風を吹くのを感じるなど、様々な答えがあるでしょう。)
レゴ® エデュケーション SPIKE™ ベーシック セットとプログラミング用デバイスを各グループに1セットずつ配ります。
探究する
(少人数グループ・25分)
組み立てとプログラミングに取り組む際に、参考として下のデザイン例を見せても (配布しても) よいでしょう。ただし、画像はアイデアのひとつであることを明確に伝え、自由なアイデアでデザインを考えて組み立てるよう促してください。
児童のタスク:
- 基本モデルを使って、紙のタワーに風をあてて倒せるような風車を組み立てる。
- 組み立てた風車モデルの羽根が回転するようにプログラミングする (回転スピードは100%から始める)。紙のタワーを、1) 風車の正面に置く、2) 風車の右側か左側に置く、3) 風車からの距離を変えて置く、と変化させて風車モデルの効果を試し、観察する。
- 風車モデルの風で紙のタワーを倒せるかテストする。
- うまく倒れないときは、デザインを変えて、もう一度テストする。
うまく紙のタワーを倒すことのできる羽根をレゴ パーツで作る方法について、たくさんのアイデアを出して話し合うよう促します。
作業時間の途中で、通常の授業で慣れた話し合いのスタイルで、児童にアイデア交換を促し、そこでひらめいたアイデアをもとにモデルを改良させます。
デザイン例
説明する
(クラス全員・10分)
クラス全員を集めて発表の時間を設けます。
グループごとに自分たちが作ったモデルを使って、次のポイントを説明し、実演も行います。
- 風車で空気の粒子を動かせる。
- 紙のタワーに触れることなく、風車で倒せる。
モデルの機能を向上するためにどんな改良をしたのかを、お互いに発表しあいます。
パートBの説明するにそのまま進む場合は、児童たちにモデルを分解しないでそのままにしておくよう指示します。モデルを分解した場合は、組み立て直す時間を与えてください。
パートB (45分)
説明する
(クラス全員・10分)
- パートAの説明するの内容を繰り返し、さらに多くのグループに実演と説明を行ってもらいます。
さらに実践する
(クラス全員・30分)
(5分) 児童たちが実践を深められるような情報を与えます。ダンボール紙など他の材料を使って風車の羽根を作れば、レゴパーツよりももっとうまく空気をおし出すことができるかも知れないこと。
(20分) アプリを使って次の課題が成功するまで、モデルのテストを繰り返すよう促します。ダンボール紙などの他の材料を使って、よりうまく風を送れる風車の羽根をデザインする。風車をテストしてみたら、どんなことがおこるかな?
- (5分) 次のことがらについて、わかったこと・考えたこと・使った技術をお互いに発表しあいます。
- 課題のクリアに役立ったことや、組み立て中に学んだこと。
- 作業した場所と使ったセットを片付ける時間を取ります。
評価する
(クラス全員・5分)
- アイデア出し、組み立て、プログラミングの間に児童たちが考えたことや決めたことを引き出すような問いかけをします。
この学習におけるルーブリックの例
学習の目的を確認します。(_教員用サポート_を参照)
次のポイントについて、児童の学習進度をチェックします。
- 近くに置いた紙のタワーを風車モデルの力で吹きとばせますか?
- 風車の羽根が押し出した、目では見えないほど小さな空気のつぶが紙のタワーを倒したことを説明できていますか?
自己評価
各自に、自分ができたことのレベルに合うブロックを選んで、成績をつけてもらいます。
- 青色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできると思う。
- 黄色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできる。
- 緑色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできて、クラスメートを手つだうこともできる。
仲間とのふり返り
少人数グループで、いっしょに作業した体験について話し合ってもらいます。
次のような表現を使うように促してください。
- XXさんが…したのはよかったと思う。
- XXさんが…したやり方をもっと教えて欲しいです。
個別対応
課題の難易度を下げる工夫:
- 最初の課題で終わりにする:空気の粒子が紙のタワーを押し倒すことができる風車モデルを組み立てた後、児童に「はい/いいえ」で答えられる問いかけをして、説明を引き出します。
課題の難易度を上げる工夫: - モーターのスピードを変えて (初期設定の75%と最高速度の100%を比べるなど)、その効果の違いを調べ、比べるよう伝えます。さらに、空気とそのほかの物質の粒子がどんなふうに影響を受けるのかを説明する図をかいてみるように促します。
発展課題
- 風の力を測るときに使うビューフォート風力階級についての学習教材を用意します。ビューフォート風力階級に関する説明文や広告を作って、人の主観的な感覚よりも、測る基準がある方が便利な理由を説明させます。
発展課題を行うと、45分間を超えるレッスンになります。
教師用サポート
児童のタスク:
- 少し離れた場所に立てた紙のタワーを吹き飛ばせるような、モーター付きの風車を作る。
- 空気は粒子で構成されており、小さくて目に見えないが、その粒子が風車の風に押されて当たることで紙が倒れることを説明する。
(2人一組)
- レゴ® エデュケーション SPIKE™ ベーシック 1セット
- レゴ エデュケーション SPIKE アプリをインストールしたデバイス 1つ
- 準備セクションの「準備するもの」参照
- 学習指導要領 理科第3学年2-A-(2) 風とゴムの力と働きについて、力と物の動く様子に着目して、それらを比較しながら調べる活動
- 総則第3節-1-(3)-イ 児童がプログラミングを体験しながら,コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動
- 理科第3-2-(3) コンピュータや情報通信ネットワークなどの適切な活用
- 国語第3学年及び第4学年2-A-(1) 話すこと・聞くこと
国語・算数発展課題
- 国語第3学年及び第4学年2-B-(1)-ア〜オ 書くことに関する次の事項を身に付ける