フリーホイーリング
質量、摩擦、位置エネルギー、運動エネルギーといった科学的コンセプトについて学びます。
1. 結びつける
(5-10分)
ジャックとジルはお手製の車で遊ぶのが大好きです。2 人は近くの公園にある下り坂を、様々な工夫をした 車で下り、どの車が一番遠くまで行けるか実験してみることにしました。
ジルは車に重りを乗せれば、車が重くなるので、遠くまで行けるようになると言っています。一方ジャックは、重くなれば動くのが難しくなるから、大きな車輪を使ったほうが遠くまで行けると思っています。ジャッ クとジルの意見は分かれてしまっています。
どちらの車の方が遠くまで行けるでしょうか?重い車でしょうかそれとも軽い車でしょうか、大きな車輪でしょうかそれとも小さな車輪でしょうか?さあ、考えてみましょう!
2. 組み立てる
(20-25分)
ローンチング・ヒル(滑走斜面)を作る
板の下の端から1メートルの場所に、スタートライ ンを引きます。板の下に支えを置いて、スタートラ インの高さが床から15 センチとなるようにします。
なぜ、スタートラインが必要なのでしょうか?
すべての実験が公平に行われるようにするため に、スタートラインは必要です。すべての車は正確 に同じ傾斜を走り降りることになります。
ヒント:
板の厚みがあることで、車 が床へ飛び落ちてしまう場 合には、厚紙を使って木の 板から床までスムーズに降 りられるようにしましょう。
フリーホイーラーを組み立てる
3A の組み立て説明書と3B の組み立て説明書(手 順1-12)を参考にしてください。
フリーホイーラーを斜面上で実験します。モデル は、スムーズに走れますか?もしも、スムーズに走 らなければ、すべての車軸と軸受けをチェックし て、車輪がスムーズに回転できるように調整して ください。また、すべての部品がきちんと接続さ れているかどうか確認してください。
円形スケールをトレースする
プラスチックの円盤に印を付けるか、円盤の形を紙 にトレースして複製を作りましょう。目盛りの数字を 書いて青いプラスチックの円盤に貼り付けましょう
3. よく考える
(20-25 分)
工夫をする前の車がどの位遠くまで走ることがで きるか、測定してみましょう。1メートルの物差しで 距離を測り、針付きのスケールで測定した結果と比 較してみましょう。距離を記録して、止まった場所に レゴブロックを印として置きましょう。少なくとも3 回実験して、科学的に正しい結果が得られるように しましょう。
工夫をする前の車は、160 センチほど滑り落ちるで しょう。これはスケール1回転以上です。スケールの 誤差は、2~3 センチ以内です。
消去可能な白板用のマーカーで、プラスチックのス ケールに、1メートルの物差しの目盛りをトレース します。もう一度フリーホイーラーに斜面を滑ら せ、スケールと針(円形スケールが1.5 回転以上)を 観察しながら、160 センチ程走るか試してみましょう。何回か実験してみましょう。
物差しや巻尺を使う必要はありません。円形スケー ルの目盛りを読むだけで測定できます。
ヒント:
車が板の上を移動する距離 を確認しましょう。1 回目は、 車が床にあたった瞬間に、 スケールの針はゼロを通り 越します。スケールが1 回 転すると、距離はほぼ正確 に1メートルとなります。
車に重りのブロックを載せてみましょう(組み立て 説明書3B、7 ページ、手順13 参照)。今度は、どの程 度遠くまで滑り落ちていくかを予測し、その場所にブ ロックを置きましょう。その後で実験を開始します。
車は約2 倍長く走ります。車と一緒に斜面を「滑り 落ちていく」重りのブロックによって、約2 倍の運動 エネルギーが加わります。ですが、重さが加わるこ とで車軸の摩擦やこすれが増大し、スピードが落ち ます。
針について、何か気がつきましたか?
針は1 回転以上します。針が何回転するか、確認し てください。
同じような結果が得られるか確認するために、何度 か実験を繰り返してみましょう。
先生のための豆知識
工夫をする前の車の重さは 約58g。重りブロックは約 53gです。
ジャックの大きな車輪
大きな車輪を使うと、小さな車輪の場合よりも遠く まで走ることができるでしょうか?大きな車輪を後 ろ車軸に取り付け、斜面を滑らせてみましょう(組 み立て説明書3B、7 ページ、手順14 参照)。
最初は重りを載せずに実験し、次に重りを載せて (組み立て説明書3B、8 ページ、手順15 参照)実験 してみましょう。
車は通常、遠くまで走ります。これには2 つ理由が あります。重さが増えることでエネルギーが増え、 後ろ車軸の回転スピードが落ちるために摩擦が減 るからです。
先生のための豆知識
大きな車輪の重さはそれぞ れ約16グラムありますが、 小さな車輪はそれぞれ約6 グラムです。
4. 続ける
(25-30 分)
スーパー・スケール
組み立て説明書3B の9-12 ページ、手順1-12(赤い 数字表記)に従って、組み立ててください。
8 歯の歯車を24 歯の歯車と交換してみましょう。針 が1 回転する前に車がどの程度遠くまで走るか、予 測して実験してみましょう。
3メートル走ります。新しい歯車には、小さな歯車 の3 倍の歯がついています。ウォームギヤは、24 歯 の歯車が1 回転する間に3 倍回転しなければなり ません。距離を正確に測ることができるように、ス ケールに3メートルの目盛りを付けます。
スーパー・スロープ
斜面の高さを2 倍にしたらどうなるかを予測し、そ の後で実際に実験してみましょう。
位置のエネルギーと運動のエネルギーが2 倍にな りますが、車軸の摩擦は2 倍になりません。
教師用サポート
以下のコンセプトについて学びます:
科学技術と設計、構造、美術
• メカニズムを利用する–車輪と車軸
• 部品の組み立て
科学(理科)
• 距離を測定する
• スケールの目盛りを読んだり、目盛り付けをする
• 力
• 運動エネルギー
• 位置のエネルギー
• 摩擦と空気抵抗
• 科学調査
9686 レゴ® サイエンス&テクノロジー モーター付基本セット (生徒1人につき1セットをおすすめします)
4メートルの平らな床
ガムテープ
1メートルの物差しまたは巻尺
長さが1メートル以上の板(たわまない程度の厚みがあるもの)
板の高さを高くするための、本の山または箱
測定に使うための、予備のレゴブロック
白板用マーカー
ハサミ
科学技術と設計、構造、美術:
必要性を見極め、アイデアを出していく。個人またはチームで作業を進める。材 料や部品、およびモジュール式組み立 てキットを使って、高品質な実用試作 品をデザインして作る。 適切なテスト 方法を使用して、改良の成果を調べる。さまざまな身近な製品を組み立て/分 解し、特定した目的を満たすことがで
きるかテストする。
• ホイールサイズや重りを変えることで、乗り物 の効率性がどう変化す るかを調査する。
• 負荷を動かすための、車輪や車軸。
• できるだけ遠くまで進 むことのできる車をデ ザインして作る。
科学(理科):
基本的な機械要素の性能に関する可 変要素の効果を予測、評価するなど の科学的調査。慎重な観察、測定、お よび記録。
• 斜面。
• 摩擦。
解析・分析(数学):
解析・分析など、数学的な考え方を活 用、応用する。あらゆる演算方法を使 用した計算。領域、平均、および比率の 概念を使用して計算する。時間、距離、 および力(重量)を、できるだけ正確に 測定する。言葉による反応式を使用す る。一次方程式を使って速度を計算す る。結果からパターンを特定する。デー タを収集して表に表わす。スピーチや 文章、図表を使って、数学的な考え方 を伝える。
• スケールの目盛りを読 んだり、目盛り付けを する。
• 距離や質量の測定。
• 負の数を使う(丘の下 で、車を後方にゼロ方 向に走らせる)。
• 精度の限界に関する 調査。
• 平均値の計算。