BricQモーション ベーシック
レースカー
ライトが赤から緑に変わったらスタートです!ピットクルーは正しいタイヤを選びましたか?レースに勝てるでしょうか?
30~45分
初級
小学3~5年生
準備
- 付属の生徒用資料をよく読んでおきます。授業ではプロジェクターを使って生徒用資料を表示するとよいでしょう。
- 運動パターンの見つけ方を前のレッスンで学習しておいてください。
- それぞれの生徒の能力や学習進度を考慮してください。全員がレッスンを楽しめるよう、必要に応じて個別化します。下の個別化セクションを参考にしてください。
関心を引きつける
(クラス全員、5分)
- ここで生徒用ビデオを見るか、付属の生徒用資料から再生してください。
- ビデオのカーレースでどのような力が働いていたか、簡単なディスカッションを促します。
- 次のような質問をしてください:
- レースカーを動かすのは何の力ですか?(反力や推進力が車の車輪に働き、動力となります。こうした力を生み出しているのはモーターなど、車を前方に向けて押すものです。)
- レースカーを止めるのは何の力ですか?(摩擦の力によって車の運動エネルギーが徐々に奪われ、車輪が転がるほど速度が落ちていきます。これを「転がり抵抗」と呼びます。)
- レースカーの速度を上げたり下げたりする条件は何でしょうか?(質量や表面摩擦を減らすと車の速度が上がります。質量や表面摩擦が大きくなると車の速度が下がります。)
- これからレースカーのモデルと発車装置を組み立て、車の運動におけるパターンを見つけるための実験を行うことを説明します。
- すべてのグループにセットを配布します。
探究する
(少人数グループ、25分)
- 生徒をペアに分け、レースカーのモデルを組み立ててもらいます。ブロックを探す役と組み立てる役を、ステップごとに交代しながらモデルを完成させるよう指示してください。
- 組み立てに役立つ情報は下のヒントを参照してください。
実験 1:
- 中サイズの黄色の車輪をつけてレースカーをテストし、どこまで進めるか観察してもらいましょう。発車装置を5の位置まで引いてから手を放すよう指示してください。
- 結果は生徒用ワークシートに記録させます( 教師用サポート 補足資料)。
実験 2:
- 今度は小サイズの灰色の車輪と大サイズの白色の車輪を使って同じようにテストしてもらいます。
- テストごとに必ず結果を記録するよう注意してください。
- 生徒がテストや観察を行う前に、それぞれのモデルがどこまで進むかを予測し、コースの横にブロックを置いて印をつけるよう促してください。
説明する
(クラス全員、10分)
- 生徒を集めて、わかったことについて発表してもらいます。
- 次のような質問をしてください:
- 異なる大きさの車輪を試してみて、どのようなことが観察できましたか?(車輪が小さくなるほど移動距離が短くなります。小さな車輪は大きな車輪よりも1回転するのにかかる時間が短いため、摩擦が大きくなるためです。)
- どうすればモデルカーの移動距離を最大限に伸ばすことができますか?(スプリングを限界まで引く、重さを減らす、大きな車輪を使う、摩擦の少ない面で走らせる、などの答えが正解です。)
さらに実践する
(クラス全員、5分)
- 生徒を集めて実験結果を発表させ、ディスカッションを行います。
- 次のような質問をしてください:
- 車輪のサイズを変更した実験では、モデルカーの運動に何かパターンを見つけることはできましたか?
- 実験の結果を正しく予測することはできましたか?
- すべてのサイズの車輪で実験を行ったら、セットの残りのブロックでモデルをカスタマイズしてもらいましょう。
- 生徒がモデルを解体してブロックをトレーに仕分けし、作業スペースを片付ける時間を設けてください。
評価する
(レッスン全体を通して)
- 授業中に生徒に「なぜ」や「どのように」といった質問を投げかけて、学習の中心となっている概念についての考察を促してください。
- 生徒がモデル制作をする際に、問題を解決するために行った決断の思考プロセスや論理付けについて、「声に出して考え」たり説明するような声かけをします。
この学習におけるルーブリックの例
- それぞれの生徒が、物体の運動におけるパターンと、このパターンを使って実験の結果を予測する方法をどの程度上手く説明できるかを評価します。
- 状況に合った評価基準を作成しましょう。例:
- 追加の支援を必要とする
- 支援を受けずに作業できる
- 他の生徒に教えることができる
自己評価
- それぞれの生徒に、自分の成果に最もよくあてはまるブロックを選ばせます。
- 緑:モデルカーの運動におけるパターンを認識することができると思う。
- 青:モデルカーの運動におけるパターンを認識することができる。
- 紫:モデルカーの運動におけるパターンを認識し、このパターンを用いて実験の結果を予測することができ、クラスメートの理解を助けることもできる。
仲間のフィードバック
- チームごとに、一緒に作業をした体験について話し合ってもらいます。
- 下のような文章を使うよう促してください:
- 君が…したのはとても良かったと思う。
- 君がどうやって…したのかもう少し聞きたいな。
ヒント
組み立てのヒント
- プレートの穴を数えるとブロックを正しく配置するのに役立つことを、実演しながら説明してください。数字のついたタイルと発車装置のマーカーに注意を払う必要がある点にも触れてください。
- モデルカーを発車させるには、発車装置を5の位置まで引いてから閉じたプッシュゲートに前面が触れるようにして置き、手を放します。
- 車輪をきつく押しこみすぎると摩擦が大きくなって速度が落ちてしまうため、生徒に注意してください。
個別化
学習に困る生徒が多い場合は、次のように学習方法を工夫してみましょう:
- 中サイズの黄色の車輪と大サイズの白色の車輪のみを使って実験を行う
この学習で物足りない場合は、次のように学習方法を工夫してみましょう:
- 重りブロックを追加して、モデルカーの運動にどのような変化が起こるかを観察させる
- モデルカーをスタートさせる際に発車装置を半分だけ (3の位置まで) 引くと何が起こるかを観察させる
- 実験1と2で観察した事柄に基づいて、モデルカーが止まる位置を予測することができるでしょうか?
発展課題
(注:時間が別途必要です。)
数学スキルの向上を図るには、セットのパーツの質量を予測して実際に量ってもらいましょう (重りブロック53 g、大サイズの車輪16 g、中サイズの車輪6 gなど)。
小学校学習指導要領算数 第2-第3学年-2-C-(1)
教師用サポート
学習内容:
- レースカーをカスタマイズしながら質量や転がり抵抗などのさまざまな変数に親しみ、移動距離を競う
- データを記録し、結果予測やパターンの発見に利用する
- レゴ® エデュケーション BricQモーション ベーシックl セット (生徒2人あたり1セット)
- 巻尺 (各グループに1つ)
小学校学習指導要領
国語 筋道立てて考える力、話の構成を考える
算数 2~6年生表やグラフ、平面図形の面積
理科 3~6年生重さと体積、予想や仮説、観察、実験、計測して制御
図画工作 創造的につくったり表したりする、つくりだす喜びを味わう
総合的な学習の時間 探求的な見方・考え方、横断的・総合的な学習を行う
中学校学習指導要領
国語 原因と結果、意見と根拠、少人数で話し合う活動、分かりやすく伝える
数学 1年生 数と式、比例/反比例、座標
理科 [第1分野] 力の働き、力の合成・分解、力のつり合い、運動の速さと向き、運動とエネルギー、摩擦
技術・家庭 [技術分野] 材料、加工、エネルギー変換及び情報の技術
総合的な学習の時間 探究的な見方・考え方、横断的・総合的な学習を行う