動物の行動
マリアは、アフリカスイギュウが、大きなむれでくらしているのを見たよ。どうしてばらばらに生活しないで、集まってくらしているの?マリアといっしょに答えをさがしてみよう。
準備
(注: このレッスンはパートAとパートBに分かれています。どちらのパートも学習指導要領に関連した学習に大切な内容が含まれています。時間が限られている場合、両パートを確認したうえで授業で扱う部分を適宜選んでください。)
このレッスンでは、デザイン例を参考にして、アフリカスイギュウのモデルを組み立てます。自分たちの自由なアイデアでデザインを考えて、組み立てるよう促しましょう。
- 理科の基礎知識 - 動物の行動: このレッスンでは、スイギュウを襲う肉食動物が近くに来たら、それを目 (視覚) で見つけるシンプルなモデルを作ります。自然界に暮らす多くの動物は、ほかにもにおい (嗅覚) などの感覚を使って、近くに危険があることを知ります。この感覚を使えば、まだ肉食動物の姿が見えないうちに気づくことができます。
- 予備知識を身につけよう - 動物の行動: 理科の教科書・教材を使って、情報・図/画像・用語の定義などを予備知識として学びます。
- アフリカスイギュウなどたくさんの種類の動物が、群れと呼ばれる集団で生活しています。
- 群れで生活することで、動物は狩りや食べもの探し、子育てなどを分担できます。
- アフリカスイギュウは、群れの中の数頭が見張りをし、ほかの仲間に危険を知らせます。見張りが早く危険を知らせると逃げる時間ができるので、群れの動物が生きていく (生存する) のに役立っています。
- 動物は、危険に気づくために様々な感覚 (目・鼻など) を使います。
- 自然界で起こること (例: 動物の生存に群れでの生活が役立っていること) についての意見や主張を文章にまとめて発表します。根拠となる証拠、事実のデータ、実証できるモデルが含まれている必要があります。
- 重要なキーワード: 群れ (むれ)・肉食動物・生存 (せいぞん)・論証 (ろんしょう)・意見 (いけん)
- モデルの組み立てとプログラミング:ユニットプランの学習前の推奨事項をご確認ください。その他の準備:
- SPIKE アプリの [開始] メニューにある [カラーセンサー] のチュートリアルアクティビティで復習する。
- SPIKE アプリの [ヘルプ]>[ワードブロック] にあるカラーセンサーのセクションを読み、詳しい使い方や役割を知る。
- 「ぬまのボート」レッスンを用いて、カラーセンサーを使ってみる。
- 準備するもの:発展課題のアクティビティを行う場合は、一人2~3枚ずつ方眼用紙を配ります。
パートA (45分)
関心を引きつける
(クラス全員・10分)
ストーリーの主なキャラクターと最初の課題を紹介します: マリアは、アフリカスイギュウが、大きなむれでくらしているのを見たよ。どうしてばらばらに生活しないで、集まってくらしているの?マリアといっしょに答えをさがしてみよう。
考える — このレッスンのトピックについて、(必要に応じてストーリーの絵を見せながら) 教室内で話し合いのきっかけとなる問いかけをします。
- 群れで生活する動物をあげてみよう。(ウシ・ヤギ・スイギュウ・シマウマなど様々な答えがあるでしょう。)
- 群れは、動物が生きていくためにどんなふうに役立っているの?(食べものを探すときに助け合う、子どもの世話をする、危険を仲間に知らせる、などがあります。)
- 群れで生活する動物が、肉食動物に食べられてしまわないように身を守るしくみを調べよう。
SPIKE ベーシック セットとプログラミング用デバイスを各グループに1セットずつ配ります。
探究する
(少人数グループ・25分)
組み立てやプログラミングに取り組む際に、参考として下のデザイン例を見せても (配布しても) よいでしょう。ただし、画像はアイデアのひとつであることを明確に伝え、自由なアイデアで肉食動物に気がつくスイギュウを考えて組み立てるよう促してください。
児童のタスク:
- 基本モデルを使って、地面の草を食べる (頭に下向きのカラーセンサーをつける) スイギュウと、その動物モデルが見つける肉食動物を組み立てる。
- 肉食動物 (ライオンをイメージした黄色で作る) をスイギュウが見つけたら音が鳴るようにプログラミングする。
- カラーセンサーの下に黄色のレゴ®パーツを置いたら音が鳴ることをテストして確かめる。
レゴ®パーツ使って、地面の草を食べるために下を向いているスイギュウと、スイギュウが警戒している肉食動物を作る方法について、たくさんのアイデアを出して話し合うよう促します。状況に応じ、基本モデルが草を食べている最中のひとりぼっちの動物で、黄色のプレートが草を食べている動物を襲おうとする動物を表していると説明してください。
組み立ての途中で、通常の授業で慣れた話し合いのスタイルで、アイデア交換を促し、そこでひらめいたアイデアをもとにモデルを改良するよう指示します。
説明する
(クラス全員・10分)
クラス全員を集めて発表の時間を設けます。
グループごとに自分たちが作ったモデルを使って、次のポイントを説明し、実演も行います。
- モデルの動物を食べる肉食動物に気づくしくみ。
- 草を食べている動物が、危険が近づくまでそれに気づかない理由。
モデルの機能を向上するためにどんな改良をしたのかを、お互いに発表しあいます。
パートBでも使うので、ここまでにできたモデルを分解しないでそのままにしておくように指示してください。
パートB (45分)
説明する
(クラス全員・10分)
- パートAの説明するの内容を繰り返し、さらに多くのグループに実演と説明を行ってもらいます。
さらに実践する
(クラス全員・25分)
児童たちが実践を深められるような情報を与えます。
- パートAのスイギュウは、食べることに集中しているので、危険が間近に迫るまで見えないかもしれない。
- 自然界で生きていくためには、肉食動物が近づいてくる前に気づかなければならない。
- 群れの仲間が食べている間、別の数頭が見張りをして、その動物を食べる肉食動物に気づいたら仲間に知らせる。
児童のタスク:
- アプリを使って次の課題が成功するまで、モデルを改良してテストする。課題: 動物の頭につけたカラーセンサーを下向きから前向きにかえる。
- 近づいてくる肉食動物 (黄色のレゴ®パーツ) をモデルが検知できることを実演して示す。
- 最初に作ったモデルに比べて、2番目のモデルがうまく肉食動物を見つけるしくみについて説明する。(センサーを前向きにつけると、下向きの場合より遠くのものを検知できます。)
- アフリカスイギュウが群れで生活することが、生存に役立っている理由について考えをまとめる。(見張りの動物が、危険が近づいていることを群れの仲間に知らせることで、逃げる時間を与えている。)
状況に応じ、組み立て直しているときにカラーセンサーの前をさえぎってしまい、肉食動物を検知しないことがないように児童に注意を促します。
(5分) 次のことがらについて、わかったこと・考えたこと・使った技術をお互いに発表しあいます。
- 課題をクリアするのに役立ったこと。
- 組み立て中に学んだこと。
作業した場所と使ったセットを片付ける時間を取ります。
評価する
(クラス全員・10分)
- アイデア出し、組み立て、プログラミングの間に児童たちが考えたことや決めたことを引き出すような問いかけをします。
この学習におけるルーブリックの例
学習の目的を確認します。(_教員用サポート_を参照)
次のポイントについて、児童の学習進度をチェックします。
- 群れで生活することが、アフリカスイギュウが生きていくために役立っていることを説明できていますか?
- 見張りの動物は、(草を食べている動物よりも早く) 肉食動物が間近に来るまでに見つけられることを、作ったモデルを使って説明できていますか?
- 見張りの動物が、1) 早く危険に気づき、群れの仲間に逃げる時間を与える、2) 群れの仲間が安全に草を食べられるという2つの役割を果たして、群れの仲間が生きていくのに役立っているという考えを、モデルを使って裏付けていますか?
自己評価
各自に、自分ができたことのレベルに合うブロックを選んで、成績をつけてもらいます。
- 青色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできると思う。
- 黄色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできる。
- 緑色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできて、クラスメートを手つだうこともできる。
仲間とのふり返り
少人数グループで、いっしょに作業した体験について話し合ってもらいます。
次のような表現を使うように促してください。
- XXさんが…したのはよかったと思う。
- XXさんが…したやり方をもっと教えて欲しいです。
個別対応
課題の難易度を下げる工夫:
- パートBでカラーセンサーの向きを変える際に、動物の頭ではなく体につけてもよいことにします。
課題の難易度を上げる工夫: - 肉食動物の距離や、近づいてくる方向を変えてセンサーをテストさせます。スイギュウはどのくらいの距離で危険に気づくでしょうか?方向によって結果は変わりますか?
発展課題
- 自分たちが作った動物モデル (食べることに夢中な動物や見張り役) が登場する、動物の群れのお話を作ってもらいます。方眼用紙を配り、群れの動物数頭と肉食動物1頭の絵を描いてもらいます。そのときに、群れの2頭 (食べている最中の動物と見張り役) が肉食動物に気づく距離を単位を使って示すように促しましょう。
発展課題を行うと、45分間を超えるレッスンになります。
教師用サポート
児童のタスク:
- 草食動物が生きていくためには、食事のときに見張りをする仲間がいることが大切であると説明するモデルを組み立てる。
- 群れでの生活は、仲間同士で守り合うのに役立っているという考えを説明する。
- 作ったモデルを使って、その考えを裏付ける。
(2人一組)
- レゴ® エデュケーション SPIKE™ ベーシック 1セット
- レゴ エデュケーション SPIKE アプリをインストールしたデバイス 1つ
- 準備セクションの「準備するもの」参照
- 理科第6学年2-B-(3)-イ 生物と環境の関わり
- 総則第3節-1-(3)-イ 児童がプログラミングを体験しながら,コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動
- 理科第3-2-(3) コンピュータや情報通信ネットワークなどの適切な活用
- 国語第3学年及び第4学年2-A-(1) 話すこと・聞くこと
- 算数第4学年2-B-(1) 平面図形
国語・数学発展課題
- 国語第5学年及び第6学年2-B-(1)-ア〜カ 書くことに関する次の事項を身に付ける
- 算数第4学年2-B-(4) 平面図形の面積