かんきょうの変化と動物たち
ソフィーは、お家の近くのしっ地にたてものがたつ予定を耳にしたよ。鳥やほかの動物など、しっ地に住んでる生きものはどうなるんだろうって、ソフィーは心配になりました。
準備
(注: このレッスンはパートAとパートBに分かれています。どちらのパートも学習指導要領に関連した学習に大切な内容が含まれています。時間が限られている場合、両パートを確認したうえで授業で扱う部分を適宜選んでください。)
このレッスンでは、人間が湿地に建物を建てることで影響を受ける湿地の生きものをひとつ選び、その問題を解決するためのモデルをデザインして、組み立ててもらいます。関心を引きつけるのセクションでいくつかの問題が提示されいるほか、解決策のアイデアも例示されています。それを参考に自分たちのアイデアで、選んだ問題と動物に合った解決策をデザインして、組み立てるよう促してください。
- 予備知識を身につけよう - かんきょうのへんかの問題に取り組もう 理科の教科書・教材を使って、情報・図/画像/ビデオ・用語の定義などを予備知識として学びます。
- 環境とは、動植物の周囲にあり、影響を及ぼすあらゆる生きものと生きもの以外を含みます。
- 湿地とは、一年中または一部の期間にわたって、淡水・海水またはその混合である汽水でおおわれている土地です。
- 湿地には、たくさんの種類の動物・植物が生息しています。
- 湿地やその付近に建物を建てるときには、湿地の水を抜いたり、土を入れて埋め立てたりすることがあります。そういう開発をすることで環境が変わり、そこに住む動植物の生活に影響を与えてしまいます。
- 意見とは、ある問題点に関する議論への回答であり、根拠と理論性を用いて、なぜある1つの解決策が問題点に対する回答となっているかを伝える文章によって裏付けられるものです。証拠には、理由と事実にくわえて、論理的な因果関係 (土を入れて埋め立てると鳥の巣作りに必要な植物が枯れてしまう、高層ビルを建てると植物に必要な日光が当たらなくなるなど) も含まれます。
- 重要なキーワード: 環境 (かんきょう)・湿地 (しっち)・意見(いけん)・証拠 (しょうこ)
- モデルの組み立てとプログラミング: ユニットプランの学習前の推奨事項をご確認ください。その他の準備:
- SPIKE アプリの [開始] メニューにある [モーター] のチュートリアルアクティビティで復習する。
- SPIKE アプリの [ヘルプ]>[ワードブロック] にあるモーターブロックとサウンドブロックのセクションを読み、詳しい使い方や役割を知る。
- 「ぬまのボート」レッスンを用いて、湿地について紹介します。
- 準備するもの: 必要に応じ、レッスン中に使う湿地についての情報・図/画像/ビデオを見つけておきます。「湿地とは」で検索し、環境の研究や保護を行う省庁・行政機関や民間組織のウェブサイトを使ってください。
パートA (45分)
関心を引きつける
(クラス全員・10分)
ストーリーの主なキャラクターと最初の課題を紹介します: ソフィーは、お家の近くのしっ地にたてものがたつ予定を耳にしたよ。鳥やほかの動物など、しっ地に住んでる生きものはどうなるんだろうって、ソフィーは心配になりました。
考える — このレッスンのトピックについて、(必要に応じて、ストーリーの絵を見せながら) 集めた資料を使って、教室内で話し合いのきっかけとなる問いかけをします。
- 湿地って何? (沼・湿原・干潟など、一年中または一年のうちの一部の期間、水でおおわれている土地です。画像やビデオを必要に応じて見せてください。)
- 湿地には、どんな植物が生えているの? (長い草のような植物・地面にはりつく苔のような植物のほか、低木や高木が生えていることもあります。)
- 湿地には、どんな動物が住んでいるの? (カモなどの水鳥の仲間・ビーバーの仲間・ワニの仲間・カエル・カメ・ヘビのほか、様々な昆虫の仲間が住んでいます。)
- 湿地に建物が建てられたら、どんなことが変わってしまうかな?その変化で、植物や動物はどうしてそこで生きていくのが難しくなると思う?(児童から出たアイデアをリストアップしてください。建物を立てるために水を抜いたり、土を入れたりすると、湿地の水の深さ (水位) が変わることがある。そのせいで土地が乾いたり、動植物が生きていくための水が少なくなったりするかも知れない。水や土地の状態が変わると、動物の食べもの、隠れる場所、巣作りの材料がなくなったりする (鳥の巣についての解決策の例を参照) こともある。建物が日光をさえぎることで、明るさが変わることがある。など)
- 今まであがった問題の中から問題をひとつ、助けてあげたい動物を1種類選ぼう。選んだら、解決方法を考えてみよう。
SPIKE ベーシック セットとプログラミング用デバイスを各グループに1セットずつ配ります。
探究する
(少人数グループ・25分)
児童が課題に取り組んでいる間に:
- 組み立てやプログラミングの参考として下のデザイン例を見せても (配布しても) よいでしょう。その際には下の例は、巣を作る材料がなくなってしまった鳥のための解決策のアイデアのひとつであることを説明してください。自分たちで選んだ問題に対する解決策を組み立てるよう指示してください。
- 自分たちが選んだ問題についてと、レゴ®パーツを使ってその問題への解決策を示す方法について、たくさんのアイデアを出して話し合うよう促します。
児童のタスク:
- 湿地の環境が変わることによって、自分たちが選んだ動物が困ることの内容と、その問題を解決するためのモデルのデザインアイデアを話し合います。動物には何が必要だろう?
- 絵を描くなど、目に見える形でデザインのアイデアを探究する。
- 自分たちが選んだ問題を解決する、または影響を小さくするモデルの組み立てとプログラミングに取りかかる。児童が希望する場合は、基本モデルとプログラミング例を参考にしてもよいでしょう。
デザイン例
説明する
(クラス全員・10分)
クラス全員を集めて発表の時間を設けます。
グループごとに自分たちが作ったモデルを使って、次のポイントを説明し、実演も行います。
- 建物を建てることでどんなふうに湿地が変わり、それによって選んだ動物たちがどんなふうに困るのかということを含めた、解決に取り組む問題の内容。
- 自分たちのデザインが、湿地の変化を少なくし、動物の困りごとを解決するのに役立つしくみ。
- 問題の解決方法としてそのデザインを選んだ理由。
- 作ったプログラミングの機能。
作業の進み具合を発表しあい、他の児童の発表からひらめいたアイデアを取り入れるよう促します。
パートBで、さらに組み立て・プログラミング・説明を続けるので、ここまでにできたモデルを分解しないでそのままにしておくように指示します。
パートB (45分)
説明する
(クラス全員・10分)
- パートAの説明するの内容を繰り返し、さらに多くのグル ープに実演と説明を行ってもらいます。
さらに実践する
(クラス全員・25分)
児童のタスク:
- (10分) 説明するセクションの発表でひらめいたアイデアを取り入れて、組み立てとプログラミングを続けます。例: 大きさの違う動物 (大きな鳥と小さな鳥など) にも役立つようにデザインを改良するなど。
- (10分) 完成モデルを使って、ソフィーの湿地で建物の建設が始まった後、自分たちが作った解決策が動物たちが生きていくのに役立つということを、理由と証拠を含めて意見を発表する。
(5分) 次のことがらについて、わかったこと・考えたこと・使った技術をお互いに発表しあいます。
- 課題をクリアするのに役立ったこと。
- 組み立て中に学んだこと。
作業した場所と使ったセットを片付ける時間を取ります。
評価する
(クラス全員・10分)
- アイデア出し、組み立て、プログラミングの間に児童たちが考えたことや決めたことを引き出すような問いかけをします。
この学習におけるルーブリックの例
学習の目的を確認します。(教員用サポートを参照)
児童の習熟レベル別に学習の目的と行動を確認します。
次のポイントについて、児童の学習進度をチェックします。
- 人間が湿地に建物を建てると、動物にとってどんな問題が起こるのか (食べもの・隠れる場所・巣作りの材料が少なくなるなど) を正確に説明できていますか?
- 作ったモデルは、選んだ問題に対するひとつの解決策を示していますか?
- 作ったデザインが動物にとっての問題解決に役立つしくみを明確に伝えることができていますか?
- 湿地が変わることで起こる問題 (土を入れると、鳥が巣作りに使う植物が育たなくなり、鳥は別の場所で巣作りにしなければならない、など)の根拠 と、自分たちのデザインが動物にとっての問題を解決する理由 (鳥の巣箱を作れば、巣にする場所とひなを育てる場所ができるから) を含めて意見を発表することができていますか?
その他の評価方法については「補足資料」セクションの自己評価と仲間とのふり返りを参照してください。
自己評価
各自に、自分ができたことのレベルに合うブロックを選んで、成績をつけてもらいます。
- 青色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできると思う。
- 黄色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできる。
- 緑色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできて、クラスメートを手つだうこともできる。
仲間とのふり返り
少人数グループで、いっしょに作業した体験について話し合ってもらいます。
次のような表現を使うように促してください。
- XXさんが…したのはよかったと思う。
- XXさんが…したやり方をもっと教えて欲しいです。
個別対応
課題の難易度を下げる工夫:
- 巣作りの材料がなくなってしまうという問題を解決するための巣箱のサンプルを使って、クラス全員にひとつの問題に取り組むようにします。
課題の難易度を上げる工夫: - 地面に巣を作る鳥や高い木の上に巣を作る鳥もいるなど、自分たちが選んだ問題の中でもバリエーションがある可能性を考えてもらい、その2つのバリエーションを解決するデザインを作るよう促します。
発展課題
- 米国農務省の発表では、アメリカの絶滅危惧種に指定されている魚類の約2分の1・鳥類の約3分の1・植物の約4分の1・哺乳類の約6分の1が湿地に生息しています。全体に対する絶滅のおそれのある動物の割合を目に見える形で表し、比較してもらうため、割合に応じて四角を塗り分けたり、ブロックを分類したりしてみましょう。
発展課題を行うと、45分間を超えるレッスンになります。
教師用サポート
児童のタスク:
- 人間が湿地を開発して建物を建てたときに、そこに住む動物たちに起こる問題に対応するモデルを作る。
- どんな問題に対応するデザインを作るのかを説明する。
- 自分たちのデザインが、動物にとっての問題解決に役立つしくみを明確に伝える。
- 動物たちが直面している問題点を示す証拠と、自分たちのデザインによってその問題を解決できる理由を含め、意見を発表する。
(2人一組)
- レゴ® エデュケーション SPIKE™ ベーシック 1セット
- レゴ エデュケーション SPIKE アプリをインストールしたデバイス 1つ
- 準備セクションの「準備するもの」参照
- 理科第3学年2-B-(1)-イ 昆虫や植物の成長のきまりや体のつくり
- 総則第3節]-1-(3)-イ 児童がプログラミングを体験しながら,コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動
- 理科第3-2-(3) コンピュータや情報通信ネットワークなどの適切な活用
- 国語第3学年及び第4学年2-A-(1) 話すこと・聞くこと
- 算数第4学年2-B-(1) 平面図形
算数発展課題
- 算数第3学年2-C-(2) 時刻と時間