昼と夜
ソフィーは、安全のためにキャンプ場の近くの道に明かりをつけたいな、と思っているよ。ソフィーを手つだって、夜、暗くなったら明かりがつく照明を作ってあげよう。
準備
(注: このレッスンはパートAとパートBに分かれています。どちらのパートも学習指導要領に関連した学習に大切な内容が含まれています。時間が限られている場合、両パートを確認したうえで扱う部分を適宜選んでください。)
このレッスンのポイントは、ある1ヵ月間の昼と夜の時間の長さをグラフ化することにあります。暗くなったらライトがついて明るくなったらライトが消えるようにプログラミングすることは、体験的に楽しく学習する機会となります。デザイン例を参考にしたり、好きなデザインで照明を組み立ててプログラミングするように児童たちを促してください。
ペアごとに異なる月を割り当ててもよいでしょう。
理科の基礎知識 - 昼と夜:
- このレッスンで大切な変数は、昼ではなく太陽の出ていない時間です。
- 目的に合わせて折れ線グラフか円グラフを使います。1) 太陽の出ている時間の変化を月ごとに1年間分表すときは折れ線グラフ、2) 昼と夜の時間の割合 (%) を月ごとに表すときは円グラフを並べて比べます。
- 児童には、グラフには1ヵ月間の平均の昼の時間と夜の時間の割合 (毎月15日のデータを使うなど) を使うよう促してください。ひと月の間の太陽の出ている時間の変化や1日の時刻を示す必要はありません。
- 児童の学習進度等に合わせてグラフの種類を選んでください。
予備知識を身につけよう - 昼と夜:理科の教科書・教材を使って、情報・図/画像・用語の定義などを予備知識として学びます。
- 毎日、予測どおりの時間に太陽がのぼり、沈みます。
- 昼と夜の長さは、月や季節によって変わります。
- データの種類や目的によって、折れ線グラフや円グラフなど、一番よいグラフの種類は違います。
- 重要なキーワード:日の出・日の入
モデルの組み立てとプログラミング:ユニットプランの学習前の推奨事項をご確認ください。その他の準備:
- SPIKE アプリの [開始] メニューにある [ライト] のチュートリアルアクティビティで復習する。
- SPIKE アプリの [ヘルプ]>[ワードブロック] にある制御ブロックとライトブロックのセクションを読み、詳しい使い方や役割を知る。
- 「ランダム・セレクター」のレッスンを用いて、ライトマトリクスを使ってみる。
準備するもの:学年に応じた、学校のある地域の日の長さに関するデータ資料 (月別の日の出/日の入時刻と、月別の太陽の出ている時間): 「“日の出・日の入時刻の月別平均” + 近くの都市名」で検索し、気象庁や国土地理院等の信頼できるデータを選ぶ。グラフ用紙と筆記用具を用意する。必要に応じ、折れ線グラフまたは円グラフのテンプレートを作って、使い方を提示してください。
パートA (45分)
関心を引きつける
(クラス全員・5分)
ストーリーの主なキャラクターと最初の課題を紹介します: ソフィーは、安全のためにキャンプ場の近くの道に明かりをつけたいな、と思っているよ。ソフィーを手つだって、夜、暗くなったら明かりがつく照明を作ってあげよう。
考える — このレッスンのトピックについて、児童たちに話し合いのきっかけとなる問いかけをします。
- 昨日の日の出と日の入は何時だったかな?今月の太陽の出ている時間は何時間くらいだろう?(現在の日の出/日の入時間や、太陽の出ている時間の推測を促しましょう。)
- 日が一番長い季節と短い季節はいつかな?(季節により、夏に日が長く、冬に日が短くなります。)
SPIKE ベーシック セットとプログラミング用デバイスを各グループに1セットずつ配ります。
探究する
(少人数グループ・40分)
- 組み立てとプログラミングに取り組む際に、参考として下のデザイン例を見せても (配布しても) よいでしょう。ただし、画像はアイデアのひとつであることを明確に伝え、自由なアイデアでデザインを考えて組み立てるよう促してください。
- 児童のタスク:
- 基本モデルを使って、夜、暗くなったら明かりがついて、ソフィーのキャンプ場の道を照らしてくれる照明を組み立てて、点灯している時間を決める。(レッスンの後半で、キャンプ場のアイテムを組み立てて広げてもよいでしょう。)
- 先生が配ったデータを使って、1) 1ヵ月ごとの昼と夜の平均時間数を1つの折れ線グラフ (昼または夜の時間の変化) または複数の円グラフ (昼と夜の時間の割合の変化) で表し、2) 自分に割り当てられた1ヵ月の夜の時間 (太陽が出ていない時間) の長さを計算する。データについては準備の項を参照。
- 自分に割り当てられた月のグラフデータを見て、夜、暗くなったら明かりがついて道を照らす照明をプログラミングする。
- ライトをプログラミングする方法について、たくさんのアイデアを出して話し合うよう促します。**たとえば、夜の1時間を1秒としてプログラミングし、街灯を点灯させれば、夜が来るまで待たなくても”夜”の明かりを見られます。 **
- 作業時間の途中で、通常の授業で慣れた話し合いのスタイルで、アイデア交換を促し、そこでひらめいたアイデアをもとにモデルを改良するよう伝えます。
デザイン例
パートBでも使うので、モデルは分解せずにそのままにしておいてもらいます。組み立ての後すぐに「説明する」に進み、パートBでプログラミングと説明をさらに行ってもよいでしょう。
パートB (45分)
説明する
(クラス全員・20分)
クラス全員を集めて発表の時間を設けます。
グループごとに自分たちが作ったモデルとグラフを使って、次のポイントを説明し、実演も行います。
- キャンプ場の照明をモデルにした方法。
- 配られたデータをグラフにした方法と、そのグラフから気づいたパターン。
- 自分たちが担当した1ヵ月の昼と夜の時間 (太陽が出ていない時間) の長さ。
さらに実践する
(クラス全員・20分)
(15分) アプリを使って次の課題が成功するまで、モデルのテストを繰り返すよう促します。道や木を追加して、ソフィーのキャンプ場を広げる。プログラミングしたモデルをテストして、夜、暗くなったらライトがついて道が明るくなることを確かめる。ライトがもっとうまく作動するように改良して、もう一度テストする。
時間に余裕がある場合は、テントや茂みなどキャンプ場らしさが出るアイテムを組み立てたり、ライトをコントロールできる ようにカラーセンサーを加えたりするよう、児童たちを促してください。
(5分) 次のことがらについて、わかったこと・考えたこと・使った技術をお互いに発表しあいます。
- 課題をクリアするのに役立ったこと。
- グラフ作り・組み立て・プログラミングの間に学んだこと。
作業した場所と使ったセットを片付ける時間を取ります。
評価する
(クラス全員・5分)
- アイデア出し、組み立て、プログラミングの間に児童たちが考えたことや決めたことを引き出すような問いかけをします。
この学習におけるルーブリックの例
学習の目的を確認します。(_教員用サポート_を参照)
次のポイントについて、児童の学習進度をチェックします。
- 配られたデータから、昼と夜の時間 (太陽が出ていない時間) の月ごとの変化パターンを読み取り、説明できていますか?
- データを正確かつ明確に示すグラフを作れていますか?
- 割り当てられた月の夜の時間 (太陽が出ていない時間) の長さに正しく対応して、明かりがついたり消えたりするキャンプ場の照明のモデルを作れていますか?
自己評価
各自に、自分ができたことのレベルに合うブロックを選んで、成績をつけてもらいます。
- 青色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできると思う。
- 黄色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできる。
- 緑色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできて、クラスメートを手つだうこともできる。
仲間とのふり返り
少人数グループで、いっしょに作業した体験について話し合ってもらいます。
次のような表現を使うように促してください。
- XXさんが…したのはよかったと思う。
- XXさんが…したやり方をもっと教えて欲しいです。
個別対応
課題の難易度を下げる工夫:
- グラフ作りのテンプレートや用具を与えて、使い方を指導しましょう。
課題の難易度を上げる工夫:
- [メッセージ送信と待機]ブロックと[メッセージを受け取った時]ブロックを使って、複数の月にわたって夜の時間に照明の明かりをコントロールできるコードを書くよう促しましょう。
- サンプルプログラム:
発展課題
- 赤道に近い (緯度が低い) 場所または北極や南極に近い (緯度が高い) 場所の昼と夜の時間のデータをグラフ化し、自分たちが住んでいる場所のデータのグラフと比べるよう促します。
発展課題を行うと、45分間を超えるレッスンになります。
教師用サポート
児童のタスク:
- データを使って、ある場所の太陽の出ている時間の月ごと変化を見つけ出す。
- データをグラフ化する。
- 夜になったら明かりがつき、昼は明かりが消えるキャンプ場の照明のモデルを作る。
(2人一組)
- レゴ® エデュケーション SPIKE™ ベーシック 1セット
- レゴ エデュケーション SPIKE アプリをインストールしたデバイス 1つ
- 準備セクションの「準備するもの」参照
- 昼と夜の長さの変化
- 総則第3節-1-(3)-イ 児童がプログラミングを体験しながら,コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動
- 理科第3-2-(3) コンピュータや情報通信ネットワークなどの適切な活用
- 国語第3学年及び第4学年2-A-(1) 話すこと・聞くこと
算数発展課題
- 算数第2学年2-C-(2)―イ 目的に応じた単位