BricQモーション プライム
スキースロープ
スロープでレースに挑戦しましょう!初心者がダウンヒルのプロになるには何が必要でしょうか?
30~45分
中級
小学校高学年・中高校
準備
- 付属の生徒用資料をよく読んでおきます。授業ではプロジェクターを使って生徒用資料を表示するとよいでしょう。
- ニュートンの運動の第2法則を前のレッスンで学習しておいてください。
- それぞれの生徒の能力や学習進度を考慮してください。全員がレッスンを楽しめるよう、必要に応じて個別化します。下の個別化セクションを参考にしてください。
関心を引きつける
(クラス全員、5分)
- ここで生徒用ビデオを見るか、付属の生徒用資料から再生してください。
- スキー選手がスキースロープを滑走する際に働く力について簡単にディスカッションをしてください。
- 次のような質問をしてください:
- スキーヤーにスロープを滑らせている力は何ですか?(重力)
- 重さはスキーヤーの運動にどのように影響していますか?(重いほど運動量が大きくなります。)
- これからダウンヒル用のスロープを作ることを説明してください。
- すべてのグループにセットを配布します。
探究する
(少人数グループ、30分)
- ペアでスキースロープのモデルを組み立ててもらいます。ブロックを探す役と組み立てる役を、ステップごとに交代しながらモデルを完成させるよう指示してください。
- 組み立てに役立つ情報は下のヒントを参照してください。
- 20分が経過したら組み立て作業を止めさせます。この時点でスキーヤーと角度の目盛りがついたスロープ (47ページのステップ25まで) が完成しているはずです。時間に余裕があれば、あとで空気圧装置を追加することができます。
- 長さが1m以上ある、表面がなめらかな板を探してその端にモデルを並べます。
- スキーヤーモデルを公平にテストする方法を実演します。スロープを慣性系と呼んでもよいでしょう。
- 下のように質問してください:時速80km/hで移動している飛行機の中でこの実験をしたら同じ結果になると思いますか?(同じ結果になります。教室は静止しているように感じても、地球はほぼ時速1600 km/hで回転しています。教室を慣性系とすると、モデルはゆっくり動いていることになります。太陽を慣性系とすると、モデルは高速で動いていることになります。)
実験 1:
- スキースロープの角度を20°に設定して、スキーヤーモデルを1つずつ上から滑らせるよう指示します。
- それぞれのモデルが移動した距離を測定し、生徒用ワークシートか理科のノートに記録させます。可能であれば、すべてのモデルを3回以上滑らせて、移動距離の平均値を出すことをおすすめします。
説明する
(クラス全員、5分)
- 生徒を集めて、組み立てたモデルについて発表してもらいます。
- 次のような質問をしてください:
- 重いスキーヤーほど遠くまで移動したのはなぜでしょうか?(スキーヤーは重いほど質量が大きく、運動量が大きくなるため長く滑り続けることができます。)
- 重いスキーヤーからスキー板を取り外すとどうなると思いますか?
- 生徒を1つのモデルの周りに集めて、スキー板を外すと移動距離が短くなることを実演します。(先端がカーブしたスキー板は、直角の角と比べてスキーヤーがスロープを滑る際の摩擦を軽減するため、移動距離に影響します。)
実験 2:
- 今度はスキースロープの角度を30°に設定し、それぞれのスキーヤーがどこまで移動するかを予測してもらいましょう。ここまで進むと思った距離の目盛りの横に色の異なるブロックを置くよう指示します。
- スキーヤーモデルを1つずつ滑らせて、予測が正しかったかどうか比べてもらいます。前の実験と同じように、各スキーヤーの平均移動距離を計算するよう指示します。生徒用ワークシートか理科のノートに移動距離を忘れずに記録するよう (教師用サポート - 補足資料)、もう一度注意しましょう。
さらに実践する
(クラス全員、5分)
- 生徒を集めて実験結果を発表させ、ディスカッションを行います。
- 次のような質問をしてください:
- スロープの高さを段階的に変更したとき、スキーヤーの動きにどのようなパターンを見つけましたか? (スロープの傾斜が大きくなるほどスキーヤーの移動距離が大きくなりました。)
- 何が起こるか正しく予測できましたか?
- 時間に余裕があれば、どのような現象が起こったかを自分の言葉で理科のノートに書いてもらいます。
- 生徒がモデルを解体してブロックをトレーに仕分けし、作業スペースを片付ける時間を設けてください。
評価する
(レッスン全体を通して)
- 完成したグループから、モデルにどのような動きができるか試してみるよう促してください。
- 生徒は空気圧ポンプをクランクで操作してスロープを上下に動かすことができていますか?
- それぞれの生徒に取り組みを評価して伝えます。
- 自己評価を行います。
- 評価の際は、下のルーブリックを参考にすると良いでしょう。
この学習におけるルーブリックの例
- それぞれの生徒が、物体に働く力が大きいほど、物体の運動における変化も大きくなることをどの程度上手く説明できるかを評価します。
- 状況に合った評価基準を作成しましょう。例:
- 追加の支援を必要とする
- 支援を受けずに作業できる
- 他の生徒に教えることができる
自己評価
- それぞれの生徒に、自分の成果に最もよくあてはまるブロックを選ばせます。
- 緑:助けを借りて、運動量が大きいほど物体の運動における変化が大きくなることを説明できる。
- 青:運動量が大きいほど物体の運動における変化が大きくなることを説明できる。
- 紫:運動量が大きいほど物体の運動における変化が大きくなる理由とその仕組みを詳しく説明できる。
仲間のフィードバック
- 以下の指示に従って生徒同士で評価し合うよう促してください:
- 上のブロックの評価基準を使ってお互いの成果を評価する
- お互いのアイデアを取り上げて建設的なフィードバックを提供する
ヒント
組み立てのヒント
- 生徒にテープを使ってスタートラインを引くよう指示します。または、テーブルや床につけた印に合わせてモデルを置き、スキースロープがすべての実験で同じ位置にあるようにしてください。
- スキーヤーをスタートさせるには、スキースロープの一番上に置いて手を放します。モデルの長さはそれぞれ異なるため、スロープの一番上からモデルが停止した位置までの距離を生徒に測定させます。
個別化
学習に困る生徒が多い場合は、次のように学習方法を工夫してみましょう:
- 1つのスキーヤーモデルの運動を2つの異なる角度から観察する
この学習で物足りない場合は、次のように学習方法を工夫してみましょう:
- スロープの素材を変えて同じ実験をする(スロープの上に大きな紙を敷くなど)
- 一番重いスキーヤーからスキー板を取り外して何が起こるか観察する(より難易度の高い課題)
- オリジナルのスキーヤーモデルを組み立て、移動距離を予測し、さらに遠くまで移動できるかどうかテストさせる
発展課題
(注:時間が別途必要です。)
数学スキルの向上を図るには、各スキーヤーの運動量を計算して比較するよう指示します:
- P (運動量)、M (質量)、V (速度)
- P = M x V
- (小さなスキーヤー) P1 = 5g x ? m/s
- (大きなスキーヤー) P2 = 62g x ? m/s
- V = V (重力による加速はどちらも同じであり、滑り降りる際の摩擦力にはやや違いがあるが、速度はほぼ同じであると考えることができます)
- P2 > P1
中学校学習指導要領数学 第2-第1学年-2-A-(3)
教師用サポート
学習内容:
- 高さの異なるスロープを滑るスキーヤーの運動が、様々な力によってどのように変化するかを調べる
- 斜面に置かれた物体の質量と運動との関係を調べる
- 慣性系とは何かを理解する
- レゴ® エデュケーション BricQ モーションプライム セット (生徒2人あたり1セット)
- マスキングテープ
- 巻尺 (各グループに1つ)
中学校学習指導要領
国語 原因と結果、意見と根拠、少人数で話し合う活動、分かりやすく伝える
数学 比例/反比例、π、一元一次方程式
理科 [第1分野] 運動とエネルギー、斜面に沿った運動、
[第2分野] 大気圧、天体の動きと地球の自転・公転
技術・家庭 [技術分野] 材料、加工、エネルギー変換及び情報の技術
総合的な学習の時間 探究的な見方・考え方、横断的・総合的な学習を行う