BricQモーション プライム
ボールを打て
スポーツの科学を理解すると、上達に役立ちます。これまでのレッスンで様々な力とその相関関係について学んだことを応用して、テーブルの上でできるボールゲームを作りましょう。
45~90分
上級
小学校高学年・中高校
準備
- 付属の生徒用資料をよく読んでおきます。授業ではプロジェクターを使って生徒用資料を表示するとよいでしょう。このレッスンは45分間の授業2回以上で完了するようデザインされています。パート Aは1回目の授業で、パート Bは2回目の授業で実施してください。
- ニュートンの3つの運動の法則を前のレッスンですべて学習しておいてださい。
- それぞれの生徒の能力や学習進度を考慮してください。全員がレッスンを楽しめるよう、必要に応じて個別化します。下の個別化セクションを参考にしてください。
パート A (45分)
関心を引きつける
(クラス全員、5分)
- ここで生徒用ビデオを見るか、付属の生徒用資料から再生してください。
- テーブルの上でできるボールを使ったゲームで、1つのボールを別のボールと衝突させる際に働く力と、それによって生じる力ベクトルが運動に与える影響、また様々な力とその相関関係、角度についての理解を応用して得点する方法について簡単なディスカッションを促します。
- 次のような質問をしてください:
- ビデオに出てきたボールゲームは、これまでに見たことのあるほかのゲームとどこが違いますか?(1つのボールを別のボールと衝突させ、ポケットに入れて得点する点。)
- 2つのボールが異なる角度で衝突すると何が起こりますか?また、それはなぜですか?(ニュートンの第3の法則:等しい反対向きの2つの力)
- ビデオで起こった衝突について何か気づいたことはありましたか?(ボールがぶつかると「弾性衝突」と呼ばれる現象が起き、 ボールは運動エネルギー/運動量を [ほぼ] 失うことなく逆の方向に跳ね返ります。)
- これから、ボールを別のボールに衝突させ、様々な角度からポケットに得点することができるメカニズムをデザインすることを説明します。
探究する
(少人数グループ、30分)
- ペアでゲームエリアを組み立ててもらいます。
- チャレンジの内容を説明します:
- ボールを打ってどちらかのポケットに得点することができるメカニズムをデザインするよう指示します。
- ルールを説明します:
- ポケット 1 (2点)
- ポケット 2 (4点)
- ボールAをボールBにぶつけて1つのボールで両方のポケットに得点 (6点)
- どちらのボールもポケット (緑のフレーム) 内に残ることができなければ得点なしとします。
- ボールをゲームエリアに置いた後は、どちらのボールにも手で触れてはいけません。
- ボールを打つメカニズムは青のパネルに取り付け (クロス軸をビリヤードのキューとして使用するのは不可とします)、可動部が2つ以上あることをデザインの条件とします。
- 解決しなければならない問題について話し合い、出たアイデアのスケッチを描いたりと分類分けを行ってから、組み立てに進ませます。
- スケッチには紙と鉛筆を使っても、ブロックを使って立体的な「スケッチ」を作っても構いません。
説明する
(クラス全員、5分)
- 生徒を集めてアイデアを発表させ、ディスカッションを行います。
- 次のような質問をしてください:
- どのようにしてボールを動かすモデルですか?
- 組み立て説明書の見本モデルのうち、どれが役に立ちましたか?
- 作成したスケッチと同じ点はどこですか?どこが違いますか?
- どこが改善できますか?
- 組み立てたモデルは箱に入れて、次の授業まで保管するとよいでしょう。ほかのクラスでも同じセットを使用する場合は、すべてのモデルの写真を撮ってからモデルを解体させてください。次の授業で組み立て直しと改良を行えば、さらに素晴らしい仕上がりのモデルが完成します!
パート B (45分)
関心を引きつける
(クラス全員、5分)
- 前回の授業のパート Aで作成したスケッチや写真、またはモデルを生徒に配布します。
- その日の授業でモデルの最終調整や改良、仕上げとして行う予定の作業について各グループにたずねてください。
- 行き詰ってしまったグループがあれば、ほかのグループにアドバイスを求めるよう促します。実際のエンジニアやデザイナーがほかの人のアイデアを元にして作品を制作しても問題ありません!組み立て説明書を参考にしても構いません。
- 自分たちのセットに入っているパーツのみを使用し、ほかのグループからパーツを借りないよう再度注意してください。
探究する
(少人数グループ、30分)
- ボールを打つことができるメカニズムの組み立てとプロトタイプのテストに取り組んでもらいます。
- 組み立てに役立つ情報は下のヒントを参照してください。
説明する
(クラス全員、5分)
- 制作したモデルについてグループごとに発表してもらいます。
- 次のような質問をしてください:
- モデルは上手く機能しましたか?
- 斜めの角度から得点を入れることができましたか?
さらに実践する
(クラス全員、5分)
- どのクラスメートのモデルが一番印象的だったか生徒にたずね、発表してもらいます。
- 生徒がモデルを解体してブロックをトレーに仕分けし、作業スペースを片付ける時間を設けてください。
評価する
(レッスン全体を通して)
- それぞれの生徒に取り組みを評価して伝えます。
- 自己評価を行います。
- 評価の際は、下で提示しているルーブリックを参考にしてください
この学習におけるルーブリックの例
- それぞれの生徒が、特定の方向に働く力によって物体の運動が変化する仕組みをどの程度上手く説明できるかを評価します。
- 状況に合った評価基準を作成しましょう。例:
- 追加の支援を必要とする
- 支援を受けずに作業できる
- 他の生徒に教えることができる
自己評価
- それぞれの生徒に、自分の成果に最もよくあてはまるブロックを選ばせます。
- 緑:助けを借りて、力と質量によって物体の運動がどのように変化するかを説明することができる。
- 青:力と質量によって物体の運動がどのように変化するかを説明することができる。
- 紫:力と質量によって物体の運動がどのように変化するか、その仕組みを詳しく説明することができる。
仲間のフィードバック
- 以下の指示に従って生徒同士で評価し合うよう促してください:
- 上のブロックの評価基準を使ってお互いの成果を評価する
- お互いのアイデアを取り上げて建設的なフィードバックを提供する
ヒント
組み立てのヒント
- アイデアを出せずにいる生徒がいたら、次のようにサポートしてください:
- これまでに作ったモデルの中で、ボールを動かすことができるものがないか質問します。
- 組み立て説明書の1ページにある見本写真を見せ、それをスタート地点にしてデザインを考えるよう促します。
- 授業時間内では完成させることのできない、大きなアイデアを思いついた生徒もいるかもしれません。その場合は、次の授業までにアイデアを簡素化する方法を考えるよう促してください。多くのデザイナーがプロジェクトから離れて計画の再考や修正を行う時間をとることを説明し、創造力を育みます。
- この写真は組み立て説明書の1ページにある製作例です。しかし、自由な発想を制限してしまわないよう、この写真は生徒がオリジナルのアイデアを出せずにいる場合にのみ見せるようにしてください。
個別化
学習に困る生徒が多い場合は、次のように学習方法を工夫してみましょう:
-まず組み立て説明書の1ページにあるラックとピニオンを使ったメカニズムに親しませる
この学習で物足りない場合は、次のように学習方法を工夫してみましょう:
- ポケットに得点が入ったら自動的にそれを表示するシステムのデザインに挑戦させる
- セットのほかのパーツを使ってモジュールを装飾させる
発展課題
(注:時間が別途必要です。)
数学スキルの向上を図るには、セットに入っている目盛りがついたパーツを使って、ボールが打たれた角度を測定するよう指示します。ボールを打つ度に、その角度と得点を記録させます。実験が終わったらこのデータを分析し、どの角度が最も効果的かを判断してもらいます。
中学校学習指導要領数学 第2-第1学年-2-数学的活動---
教師用サポート
学習内容:
- これまでのレッスンで様々な力とその相関関係について学んだことを応用する
- ゲームで勝てるモデルを製作するために、ブレインストーミング、スケッチ、デザイン、プロトタイプ製作、組み立て、テスト、繰り返し、組み立て直し、実験に取り組む
- レゴ® エデュケーション BricQ モーションプライム セット (生徒2人あたり1セット)
中学校学習指導要領
国語 原因と結果、意見と根拠、少人数で話し合う活動、分かりやすく伝える
数学 比例/反比例、π、一元一次方程式
理科 [第1分野] 運動とエネルギー、斜面に沿った運動、
[第2分野] 大気圧、天体の動きと地球の自転・公転
技術・家庭 [技術分野] 材料、加工、エネルギー変換及び情報の技術
総合的な学習の時間 探究的な見方・考え方、横断的・総合的な学習を行う