教育版 レゴ マインドストーム EV3 基本セット

トライアル&エラー

ベベルボットを組み立てて、正確に1mだけ前進させます。

45~90分
初級
小学校高学年・中高校
lesson-header-2-1

レッスンプラン

1.準備

  • EV3 Classroom アプリの生徒用資料を読み、学習課題をよく理解しておきましょう。
  • エンジニアや物理学者が用いるプロセスや手順について調べておきます。
  • このレッスンではメジャーとマーカーが必要です。
  • 必要に応じて、アプリに入っている導入用資料を使いながらレッスンを計画します。これにより、生徒が教育版レゴ® マインドストーム® EV3に慣れることができます。

2.興味付け (10分)

  • このユニットのビデオを見て、「ディスカッションを活性化させる」セクションのアイデアを参考に、生徒の学習への関心を喚起します。
  • 生徒にペアを組ませます。

3.探求 (15分)

  • ペアごとにベベルボットを作るよう指示します。
  • テスト走行を行う時間を設け、モデルが正しく組み立てられており、正常に機能することを確認させます。

4.説明 (10分)

  • チームごとに実験を行い、結果を記録するよう指示します。
  • 各チームに自分たちでチェック表を作成できていることを確認させます。
  • ロボットがより正確に100 cm前進できるよう、プログラムを調整してもらいましょう。

5.仕上げ (10分)

  • どの調整方法が最も誤差が小さかったかを分析してもらいましょう。
  • 実験結果を簡単にまとめるよう指示します。
  • 清掃の時間も忘れずに確保してください。

6.評価

  • それぞれの生徒に取り組みを評価して伝えます。
  • 評価の際は、以下に提示するルーブリックを参考にすると良いでしょう。

ディスカッションを活性化させる

完璧な機械というものは存在しません。できる限り正確で精度の高い機械になるようエンジニアが最善を尽くしても、必ずある程度の誤差が生じてしまいます。一般的に、機械の仕様は計算とシミュレーションに基づいて導き出されていますが、実際の機械を使った運転試験も必ず行われます。機械の性能は、試験や反復、試行錯誤 (トライアル&エラー) によって最適化することができます。

MCR-UV-Engineering-Lab-Cover

このユニットのビデオを見て、エンジニアが使ったプロセスについてのディスカッションを促してください。次のような質問をしてみましょう:

  • エンジニアは新しい機械の開発をどのように進めますか?
  • 機械の性能を測定するための実験をどのように計画していますか?
  • 誤差の許容範囲や「合格」とされる性能レベルを決める要素は何でしょうか?

組み立てのヒント

組み立て説明書

モデルを使う
モデルを水平で安定した場所に置き、スターティングポジションに印をつけます。プログラムを実行し、ロボットが止まったら停止位置に印をつけます。算出されたモーター回転数と実際のモーター回転数、算出された移動距離 (cm) がディスプレイに表示されます。

実験を行う
生徒が実験を行う際、以下の点に注意するよう促してください:

  • 算出されたモーター回転数と実際のモーター回転数、算出された移動距離 (cm) がディスプレイに表示されます。
  • メジャーを使って実際の移動距離を測定します。
  • 実験の回数、算出された移動距離、測定された実際の移動距離をチェック表に記録します。そのほかの計算ができるよう、列を追加できるスペースを確保しておきます。
  • 実験を3回以上行い、平均値を用いることで実験結果の信頼性を高めます。

プログラミングのヒント

プログラム

EV3 Classroom-Programs 2-1-program ja-jp

個別化

学習に困る生徒が多い場合は、次のように学習方法を工夫してみましょう:

  • 速度パラメーターが誤差の量におよぼす影響を生徒と一緒に分析する。

この学習で物足りない場合は、次のように学習方法を工夫してみましょう:

  • 平均値 (算術平均と中央値の違い、外れ値の影響など) を用いることで実験における測定誤差を均等にふりわけることの重要性を説明する。
  • 正確度と精度がさらに向上するようにロボットのデザインを改良するよう促す。

学習評価

この学習におけるルーブリックの例
次のルーブリックを参考に、評価規準や判定基準を作成しましょう。
1.課題を部分的にこなした。
2.課題を十分にこなした。
3.期待を上回る達成度であった。

以下の成功基準を使用して、生徒の進度を評価します。

  • ロボットのデザインまたはプログラムの中で、正確度や精度の低さの原因となっている要素を特定することができた。
  • ロボットの正確度と精度に影響を与える外部要因を特定することができた。
  • ロボットのデザインまたはプログラムに変更を加え、誤差 (予期された結果や、求められる結果とのずれ) を減少させることができた。

自己評価
それぞれの生徒に、自分の成果に最もよくあてはまるレベルを選ばせます。

  • ブロンズ:実験はできたが、ロボットのデザインまたはプログラムの中で、正確度や精度の低さの原因となっている要素を特定することができなかった。
  • シルバー:助けを借りながら、ロボットのデザインまたはプログラムの中で、正確度や精度の低さの原因となっている要素を特定することができた。
  • ゴールド:ロボットのデザインまたはプログラムの中で、正確度や精度の低さの原因となっている要素を特定できた、または正確度と精度を向上させる変更を行うことができた。
  • プラチナ:ロボットのデザインまたはプログラムの中で、正確度や精度の低さの原因となっている要素を特定し、さらに正確度と精度を向上させる変更を行うことができた。また、ロボットの正確度と精度に影響を与える外部要因を特定することができた。
assessment-row

国語の発展課題

言語能力の発達を促すために、生徒に以下のタスクに取り組んでもらいます:

  • 実験の結果と、正確度と精度が重要な役割を果たしている分野の例を簡単にまとめたレポートを作成する。
  • 実験の結果と、そこから学んだことを説明するプレゼンテーションを作成する。

注:これにより、さらに長い授業をすることができます。

職業適性

この授業を楽しむことができた生徒は、以下の進路について興味がある可能性があります。

  • プレ・エンジニアリング
  • 科学、技術、工学及び数学(理科学研究者)

教師用サポート

学習内容:

  • ロボットのデザインとプログラムの中で、正確度や精度の低さの原因となっている要素を特定する

中学校
技術・家庭

  • C エネルギー変換の技術:(2)エネルギー変換の技術による問題の解決
  • D 情報の技術:(3)計測・制御のプログラミングによる問題解決

総合的な学習の時間

  • (1)探究的な学習の過程において,課題の解決に必要な知識及び技能を身に付け,課題に関わる概念を形成し,探究的な学習のよさを理解するようにする

高校
情報

  • 情報Ⅰ:(3)コンピュータとプログラミング
  • 情報Ⅱ:(5)情報と情報技術を活用した問題発見・解決の探究

総合的な探究の時間

  • (1)探究の過程において,課題の発見と解決に必要な知識及び技能を身に付け,課題に関わる概念を形成し,探究の意義や価値を理解するようにする

生徒用資料

生徒用ワークシート

オンラインの HTMLページまたは印刷可能なPDFのいずれかとしてダウンロード、表示、共有いただけます。