ひかりのやくわり
ソフィーはベッドの下になにがあるか、しりたいんだって。なにがあるか見えるように、お手つだいしてくれるかな?
準備
(注: このレッスンはパートAとパートBに分かれています。どちらのパートも学習指導要領に関連した学習に大切な内容が含まれています。時間が限られている場合、両パートを確認したうえで授業で扱う部分を適宜選んでください。)
このレッスンのポイントは、暗いところに光をあてた効果を観察し、光が当たっているときだけ物が見えることを発見することを通じて得られます。児童たちが自分で懐中電灯モデルを組み立てることで、体験的に楽しく考察することができます。画像はアイデアのひとつです。自分たちの自由なアイデアでデザインを考えて、組み立てるよう促しましょう。
教室を暗くする場合、暗い場所が怖いと感じる児童がいる可能性に配慮してください。
- 生活科の基礎知識 - ひかりのやくわり: このレッスンでは、人の目で物を見るには光が必要なことを学びます。
- 太陽・火・ホタル・電球・コンピューター画面などは、人の目に直接届く光を発しているので見ることができます。
- 月・惑星・ほとんどの岩石・木などは、光を発していないので、ほかのものから出た光が反射したときにしか見えません。
- 光が目に入ると、信号が脳に送られて、物の画像が見えます。
- 予備知識を身につけよう - ひかりのやくわり:,理科の教科書・教材を使って、情報・図/画像・用語の定義などを予備知識として学びます。
- 人間が物を見るときには光が必要です。
- 光が出ている物を光源と呼びます。太陽・星・稲光・たき火・ろうそくの火・電灯・懐中電灯などは、光源です。
- 光が出ていないものは、光が当たらないと見えません。月・バスケットボール・ネズミは、どれも光を出さない物です。
- 重要なキーワード: 光源 (こうげん)
- モデルの組み立てとプログラミング: ユニットプランの学習前の推奨事項をご確認ください。その他の準備:
- SPIKE アプリの [ヘルプ]>[アイコンブロック] にあるイベントブロックとライトブロックのセクションを読み、詳しい使い方や役割を知る。
- 「ひかりをとおすもの」レッスンで、児童に光になじんでもらう。
- 準備するもの: 光の実験と学習のために、暗い場所と様々な物を使います。
- 可能であれば、教室を暗くします。
- 暗くしにくい場合は、大きめのフタ付きダンボール箱の側面にのぞき穴をあけた実験箱を作ります。
- その箱の中にヒミツの物 (または文字を書いたカード) を入れます。
- のぞき穴から、暗い箱の中を覗きます。
- ひとつの箱を複数の児童で使う場合は、目の衛生のための手段を考えてください。たとえば、児童がのぞき穴を覗くときには四角く切ったセロハンを当てる、なども考えられます。セロハンは、のぞき穴を使うたびに交換してください。
パートA (45分)
関心を引きつける
(クラス全員・10分)
ストーリーの主なキャラクターと最初の課題を紹介します: ソフィーはベッドの下になにがあるか、しりたいんだって。なにがあるか見えるように、お手つだいしてくれるかな?
考える — このレッスンのトピックと実験について、(必要に応じて、簡単な調査をしたり、ストーリーの絵を見せたりしながら) 教室内で話し合いのきっかけとなる問いかけをします。
- 教室を暗くします。次に、教室を明るくします。再び教室を暗くして、懐中電灯の光を教室の一角に当てます。(児童たちに暗さに慣れてもらいます。暗い場所を怖がる児童がいる場合はその対応をします。)
- 部屋を暗くすると、何が見える?それはなぜ?(光を出すものがないので、よく見えないはずです。)
- 部屋を明るくすると、何が見える?それはなぜ?光ははどこから来てるの?(教室の中の物がすべて見えるはずです。教室の電気や外の日光が物を照らしているからです。)
- 暗い部屋のすみっこを 懐中電灯で照らすと、何が見えた?何のおかげで見えたのかな? (教室の一角にある物は見えますが、それ以外の場所は暗くて見えません。懐中電灯がその一角を照らしていたからです。)
- 何を使ったら、ソフィーはベッドの下を見られるかな?(ベッドの下に光を当てる必要があります。懐中電灯で十分です。)
レゴ® エデュケーション SPIKE™ ベーシック セットとプログラミング用デバイスを各グループに1セットずつ配ります。
探究する
(少人数グループ・35分)
組み立てやプログラミングに取り組む際に、参考として下のデザイン例を見せても (配布しても) よいでしょう。
ただし、画像はアイデアのひとつであることを明確に伝え、自由なアイデアでデザインを考えて組み立てるよう促してください。
児童のタスク:
- 基本モデルを使って、ソフィーがベッドの下の物を見られるような懐中電灯を組み立てる。
- ある部分またはのぞき穴付きの箱の中を照らせるよう、懐中電灯モデルをプログラミングする。
懐中電灯モデルにライトマトリクスを使う方法について、たくさんのアイデアを出して話し合うよう促します。物が一番はっきり見えるのは、どの色の光?ライトマトリクスのライトはいくつ光らせたらいい?(白色光がもっともよく見えます。ほかの色の光では、物の色が違って見えることがあります。9つ全部のライトを光らすと、もっともよく見えます。)
デザイン例
- 作った懐中電灯モデルで暗いところをどれくらい照らせるか実験します。(暗いスペースの作り方を児童にわかりやすく示したり、先に用意したのぞき穴付きの箱の使い方を実演したりしてください。)
- ペアごとに自分たちが作った懐中電灯を箱の中に入れて、ふたを閉めます。
- ひとりずつのぞき穴から中を見て、中の物 (またはカードの文字) が何かを当てます。
- 観察したことがらを、文章・絵でかいたり、口頭で発表します。
- 作業時間の途中で、通常の授業で慣れた話し合いのスタイルで、児童にアイデア交換を促し、そこでひらめいたアイデアをもとにモデルを改良させます。
パートBの説明するにそのまま進む場合は、児童たちにモデルを分解しないでそのままにしておくよう指示します。モデルを分解した場合は、組み立て直す時間を与えてください。
パートB (45分)
説明する
(クラス全員・10分)
- クラス全員を集めて発表の時間を設けます。
- 次のポイントを説明させます。
- 箱の中 (あるいは暗いところ) に見えたもの。
- 実験に暗い場所が必要だった理由と懐中電灯が必要だった理由。
- 懐中電灯が物を見るのにどのように役立ったか。
さらに実践するセクションでも使うので、ここまでにできたモデルを分解しないでそのままにしておくように指示してください。
さらに実践する
(クラス全員・25分)
- (5分) 児童たちが実践を深められるような情報を与えます。
- *作った懐中電灯が光を出すことで、ほかに明かりがない暗いところでも物が見えるようになりました。*光の量 (強さ) を変えるとどうなるか調べる。
- (15分) アプリを使って次の課題が成功するまで、実験をくり返して行います。
- 複数のペアを集めてグループを作り、新しい条件でさらに実験します。次の条件で実験を行い、児童に結果を尋ねます。
1.たくさんの懐中電灯を物に向けたとき
2.たくさんの懐中電灯を物ではないところに向けたとき
3.懐中電灯1つを物ではないところに向けたとき
4.懐中電灯を使わないとき- (明るい光を物に向けて照らすと、近くにあるものも遠くにあるものも、細かいところまでよく見えるようになることがわかるはずです。)
- (5分) 次のことがらについて、わかったこと・考えたこと・使った技術をお互いに発表しあいます。
- 課題をクリアするのに役立ったこと。
- 組み立て中に学んだこと。
- 作業した場所と使ったセットを片付ける時間を取ります。
評価する
(クラス全員・10分)
- アイデア出し、組み立て、プログラミングの間に児童たちが考えたことや決めたことを引き出すような問いかけをします。
この学習におけるルーブリックの例
学習の目的を確認します。(_教員用サポート_を参照)
次のポイントについて、児童の学習進度をチェックします。
- 組み立てた懐中電灯で、暗いところにある物が何かを照らし出すことができましたか?
- どんなときに物が見えたかを観察して記録していますか?
- 観察でわかった証拠をもとに、光を出すもので照らしたときだけ、暗い場所にあるものが見えることを説明できましたか?
自己評価
各自に、自分ができたことのレベルに合うブロックを選んで、成績をつけてもらいます。
- 青色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできると思う。
- 黄色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできる。
- 緑色:作り方のせつめいのとおりにプログラミングできて、クラスメートを手つだうこともできる。
仲間とのふり返り
少人数グループで、いっしょに作業した体験について話し合ってもらいます。
次のような表現を使うように促してください。
- XXさんが…したのはよかったと思う。
- XXさんが…したやり方をもっと教えて欲しいです。
個別対応
課題の難易度を下げる工夫:
- それぞれの実験の観察結果を表現する足掛かりを提示します。たとえば、首をふる/うなずく、立つ/座る などの身体表現、「(カード/物/文字) が見えましたか?」など はい/いいえ で答えられる質問、絵を指差す/種類分けする など言葉を使わない形式で答えられるようにしてみましょう。
課題の難易度を上げる工夫: - モデルにセンサーをつけて、ライトのオン/オフをコントロールできるようにしてみましょう。
発展課題
- 夕方暗くなってきたころに学校や家の窓から見える、光を出すものについて、たくさんのアイデアを出し、いっしょに話し合いましょう。(街灯・車のヘッドライト・看板・ホタル・星など)光を出すものとして「月」と言う児童がいたら、月は太陽の光を反射して見えることを確認します。月からは光は出ていません。自分の住んでいる地域の夜間の光ガイドを作るよう促します。必要に応じて、「まどのそとに______________が見えます。そこからひかりが出ています。」といった文を提示し、空欄に光を出しているものを入れてもらうようにします。次に、光を出すものをすべて数えてもらいます。学習進度に応じ、その光を出すものが自然のものか人工のものかを分ける質問をしてもよいでしょう。
発展課題を行うと、45分間を超えるレッスンになります。
教師用サポート
児童のタスク:
- 暗いところを照らせる懐中電灯モデルを組み立てる。
- 暗いところにある物に光をあてたときの効果を観察する。
- 観察からわかった証拠を使い、光が当たっていないと物が見えないことを説明する。
(2人一組)
- レゴ® エデュケーション SPIKE™ ベーシック 1セット
- レゴ エデュケーション SPIKE アプリをインストールしたデバイス 1つ
- 準備セクションの「準備するもの」参照
- 生活第2-2-(6) 身近な自然を利用したり,身近にある物を使ったりするなどして、その面白さや自然の不思議さに気付く
- 総則第3節-1-(3)-イ 児童がプログラミングを体験しながら,コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動
- 生活第3-2-(4) コンピュータなどの情報機器について適切に活用する。
- 国語第1学年及び第2学年2-A-(1) 話すこと・聞くこと
- 算数第1学年2-A-(2) 加法及び減法
国語・算数発展課題
- 国語第1学年及び第2学年2-B-(1)-ウ 内容のまとまりが分かるような書き表し方
- 算数第1学年2-A-(1) 数の構成と表し方